【No.13】
高等教育開発・支援系/部門ニュースレターNewsletter 第13号(7/1)

PDF版:2020ニュースレター(13号)

 

英国高等教育における新型コロナ禍対応について

高等教育開発・支援系 堀井 祐介

2020年は新型コロナウイルス(COVID-19)禍により世界中のあらゆる活動が影響を受けている。高等教育もその例に漏れず、日本の各大学においても遠隔(オンライン)授業対応に追われている。今回は、英国高等教育におけるCOVID-19対応について、英国高等教育質保証の要である「学生局」(Office for Students, OfS)のWebウェブサイトに掲載されている”Guidance for providers about quality and standards during coronavirus (COVID-19) pandemic”(以下、”Guidance”)について紹介する。(https://www.officeforstudents.org.uk/media/f351a739-6cd6-4310-8f98-a6aa603f17f4/quality-and-standards-guidance-during-coronavirus.pdf 2020年6月19日 アクセス)

“Guidance”は以下の表1に示すように、全部で79項目および6つの事例から構成されている。

見出し 項目番号
Summary 概要 1-8
Introduction 導入 9-12
The OfS’s approach to regulating quality and standards 質と基準の管理に対する「学生局」の対応 13-21
Maintaining quality during the pandemic パンデミック下での質の維持 22-25
Delivering higher education courses 高等教育科目の提供 26-31
Placements 実習科目 32-33
Supporting students 学生支援 34-39
Delivering outcomes for students 学生の学習成果 40-44
Securing standards during the pandemic パンデミック下での質保証 45-50
Assessing student achievement 学生の到達度の評価 51-61
Meeting sector recognised standards 業界基準を満たす 62-68
Ensuring qualifications hold their value 資格の価値を保証 69-71
Complying with student and consumer protection requirements 学生および消費者保護要件の遵守 72-79
Case study: The University of the Arts London (UAL)
Case study: The University of Exeter
Case study: Nursing and Midwifery Council (NMC)
Case study: The Solicitors Regulation Authority (SRA)
Case study: General Medical Council (GMC)
Case study: UCL

 

ここでは、学生の到達度の評価とエクセター大学の事例についてその要約を紹介させていただく。

 

学生の到達度の評価(Assessing student achievement)

  • 学生の到達度は、信頼性を担保した上で評価されることが求められる。
  • 高等教育機関は、従来の方法を変更した場合でも、最善の方法を尽くして、信頼性を担保した上で評価出来ることを保証するべきである。
  • 高等教育機関は、様々な方法を組み合わせて幅広い可能性の上で個別活動(elements, unit, module, course)を評価する。また、単位や資格授与に関してどの個別項目を評価する必要があるかを決定する。この決定に際しては、項目の削除、入れ替え、代替措置、延期も考慮する。
  • このような状況なので、学生が計画されたレベルに達していない場合があり、単位または資格を授与する機関は、どこまで適切なレベルに達しているかを慎重に判断仕掛ければならない。
  • 単位または資格を授与する機関は、完全に修了していない学生の到達度について、これまでの学習を考慮して、柔軟に捉えなければならない。
  • 高等教育機関は、遠隔(オンライン)授業におけるカンニングおよびそれへの対応について明示しなければならない。
  • 通常授業であろうと代替案実施であろうと、COVID-19感染やその看護に関わる学生など多様な学生グループがあることを考慮する必要がある。高等教育機関は、通常の対応を状況に応じて柔軟に運用してかまわない。
  • 高等教育機関は、十分な根拠がないため信頼性を担保した評価が出来ないと判断した場合でも、可能な限り調整の上、評価を実施する。また、高等教育機関は、基準が満たされる範囲内で別の資格に対する学習成果への読み替えを行ってもかまわない。
  • 高等教育機関は、状況に応じて修正を行い信頼性を担保した評価が、障がいを持つ学生に対しても適切で効果的であることを保証しなければならない。
  • 全てに適用出来る「汎用的」な方法は適切ではない。高等教育機関は個別の学生の事情に応じた選択肢を用意すべきである。

 

エクセター大学の事例(Case study: The University of Exeter)

評価方法として以下の3つから選ぶ:

  1. 24時間以上の時間を与えた上で、学生が関連資料閲覧可能、監督なしの状況でレポートを作成する。特定の期間は設定しないが、本来計画されていた試験とほぼ同程度の時間で作成出来ることが期待される。
  2. 特定の期間内の24時間以内に、学生が関連資料閲覧可能、監督なしの状況で作成したレポート。期間は、個々の学習計画により調整可能。
  3. 代替措置としての数週間にわたる作業を伴うコースワークに対する評価。コースワークの形態は学生が既にこなした作業に類似するものであり、時間の制約、試験、評価などの他の要素を考慮して管理できるように設計されたものとなる。

大学は、コンピュータを持っていない、または、インターネットへのアクセスが出来ない学生に対するサポートを行う。学生は諦める前に関係者とよく相談すること。評価を受けられない場合でも大学はその状況を考慮する。大学は、最終学年の学生が、今回の件で、それまでの成績の平均を下回らないようにするセーフティーネットを設ける。

 

このように質を担保することを求めつつ、方法、時間など出来るだけ柔軟に対応することが認められている。個々の大学の現場ではこの”Guidance”で記述されていることだけではカバーしきれない状況が生じていることは想像に難くないが、とにかく、学生に不利益にならないよう十分に支援した上で柔軟に学習が進められることへの配慮が求められている点を学内関係者間で共有しておきたい。

最後に、この “Guidance”以外でもCOVID-19の状況変化に応じて随時情報発信は行われているので関心があるようであれば以下のURLを参考にしていただきたい。

https://www.officeforstudents.org.uk/advice-and-guidance/coronavirus/

 

 

 

ポスト・コロナの高等教育

高等教育開発・支援系 吉永 契一郎

日本総研は、ウェブ・サイトにおいて、「ポスト・コロナ時代への展望」という特集をしています。そこで取り上げられているトピックのキーワードを拾うと、「デジタル社会への転換」、「オフィス不要論」、「輝く郊外」、「5G市場」、「新しい生活様式」、「オープン・イノベーション」、「オンライン診療の現状と展望」などです。ここでは、これまで、議論はされていても、なかなか実行に移されなかったアイデアを、新型コロナウイルス感染症対策を契機にして、現実化しようとする姿勢が明確です。これは、感染症からの思わぬ副産物です。

かつて、アメリカで教員研修に参加した際、コースワーク、試験、卒業研究の意義を明らかにしたかったら、まず、それぞれを大学教育から外した場合にどういうことが起きるかを考えてみようというトレーニングがありました。これによって、それぞれが果たしている役割を再確認することができると同時に、大学教育に絶対的な要素はないということも学ぶことができました。

今回、感染症の流行に伴う対面教育・出校停止という事態は、大学教育において、これまで最も自明であるとされてきたことについて、欠如態を意識させることになりました。今日まで、自学自習、反転授業、アクティブ・ラーニングなど学習を実質化するための様々な提唱なされてきましたが、どこか現実感を持って受け止められていなかったのは、従来型の講義・試験が実施されていれば、表面的には、大学教育は機能していると見えたからでしょう。しかしながら、今回、対面教育が停止されるという事態によって、オンライン教材が準備され、対面教育の代替および新たな可能性が明らかにされたことは、今後、教育効果に対する関心をより高め、大学教育を大きく変えて行く力になると思われます。

既に、アメリカやオーストラリアでは、大都市から離れた地域における教育機会の確保、フルタイムで働く社会人教育のためにオンライン教育が活用されています。その際、実習や実験が必要な科目は、学期のある時期に、寮を活用して、集中的に開講されています。また、ミネルヴァ大学は、キャンパスをもたずに、オンライン教育と海外研修によって、大学教育を行なっています。日本の予備校でも、早くから、オンライン授業によって、全国展開を行なってきました。その意味でも、ようやく日本の大学も、18歳の学生が、フルタイムで、対面講義を受けるというモデルを見直す時期に来たと言えます。

現在、企業においては、出社、通勤、会議、印鑑、就業時間、アフター・ファイブ、東京への一局集中、転勤が、本当に必要であるかどうかが、検討されつつあります。これらの意義が薄れてきたことは、感染症対策に限られたことではなく、産業社会から知識基盤社会への転換が、従来の組織や慣習と齟齬を生み出していることの証左でもあります。クリエイティブ人材の育成を担っている大学についても、より一層、これまでのルーティーンの見直し、ライフ・ワーク・バランスの実現が求められるところです。

 

 

 

 

Q1のオンライン授業を終えて

高等教育開発・支援系 西山 宣昭

Q1の担当するオンライン授業が終わったが、それこそ息つく暇なくQ2のオンライン授業準備の自転車操業が始まった。共通教育科目は全学に先んじて4月初旬に全面オンライン授業実施の方針が示唆され、心の準備ができたのは幸いであった。導入科目に関わっていたため、この時期の教員の混乱を目の当たりにし、新入生を対象とする演習の授業科目をオンラインで本当にできるのか、どう行うか、メール上で激しく議論が行われたが、やるしかない状況で知恵を絞り、こうしてQ1が終了したことに安堵するととともに、多くの教員と支えていただいた学務事務の皆様に感謝したい。筆者は総合教育部の初学者ゼミⅠ、データサイエンス基礎を担当し、また大学・社会生活論の授業担当者、各クラスの担当教員への連絡調整を行っていたため、5月連休あたりまでは頭が真っ白な状況が続いた。今こうして振り返ってみて思うのは、大学の授業の存在意義は何かということである。演習科目2科目をオンラインで行ってみて、受講生との膨大なメッセージのやりとりが必要であったことには疲れ果てたが、予想外に対面との大きな落差は感じていない。であるなら、もともとのレベルが低いからだという批判を受けそうだが、対面とオンラインの対比は問題ではないような気がする。大学の授業の存在意義は、当たり前かもしれないが、教員独自の授業内容の設計によって決まるのであろう。

初学者ゼミⅠでは、総合教育部理系の1クラスを担当した。大学の学びの始点において、問題発見、仮説設定、仮説検証の論理的思考を養うこと、そしてこれらのプロセスを明快な論証として文章にまとめることができるようになることが大学の学習の目標であり、このことを意識することが授業の目標であることを受講生に伝えた。議論を通して身近な疑問から問題を明確化していくという授業をGS科目導入前の少人数ゼミ科目で行っていたが、同様の手法を用いた。「あくびはなぜ人にうつるのか」「行きと帰りではなぜ帰りが速く感じられるのか」という疑問は、議論を通して、「人の表情の受け取り方と時間認識が下地としての感情によって影響を受けるか」という問題に変換され、その答えを予想し、予想が当たっているかどうかを調べる方法について議論を行った。ここで、すでに研究が行われていないか、知見が得られていないかどうかをネットで調べた。これらの過程をレポートに各自まとめた。議論はすべてWebClassのチャットで行った。17名のクラスで活発に意見を述べる学生は半数程度であったが、これは過去の対面の少人数ゼミと同程度であった。チャットなるものを初めて体験したが、反応性がよくコミュニケーションツールとして十分なものであった。

データサイエンス基礎は初めて担当し、後半4回の授業を行った。消費者実態調査の疑似データから特定の変数の値を切り出したり、平均値を求めたり、2つの変数値を散布図で表示させるなどの演習を行った。思いつく限り平易かつ詳細な説明文を用意した。最終の演習は、抽出する2変数を各自に考えさせて同じ処理を行わせた。問題だったのは、作業を始める時点でのデータのダウンロードとソフトでの読み込みの部分であった。教室での個別の対応であれば数分で済むところが、繰り返しのメッセージでのやり取りと数名には電話で対応した。この点の困難は、今回は不可避であったと思うが、データから知見を見出そうとすることをわずかに体感させることはできたかもしれない。

Q2に担当する初学者ゼミⅡと大学院の応用計算科学bもオンラインで行う。初学者ゼミⅡは、新型コロナウイルスに関する公開データをまず探させて、データありきで各自のテーマを考えることにした。事前の情報収集でECDCのデータの公開サイト(Our Data in World)が提案され、このデータについて考察、あるいは分析を行う作業計画の作成に着手した。最終成果物は音声付きPPTを予定している。応用計算科学bは、これまでの対面の内容を全面的に見直してPPTと各スライドの音声データを作成しつつある。英語での授業であり、対面では繰り返し説明できていたところを日本語なまりの英語の録音データとスライドの情報だけできちんと伝えることができるか、甚だ自信がないが、やるしかないだろう。

Q2も終えた時点で反省したいと思っているが、オンライン授業をやらざるを得ないこの状況は、対面、オンラインという教育方法の枠を超えて、自身の授業にはどの程度の意味があるのかを考える機会になると思う。

 

緊急遠隔授業から、デジタル・ペダゴジーへ

高等教育開発・支援系 杉森 公一

オンラインを活用し対面教育と組合せるブレンド型学習(Blended Learning)の大学教育への適用可能性が、近年のインターネットとデジタルツールの普及の歩みとともに叫ばれて続けてきた。教育の電子化運動ともいえる、eラーニング、オープンコースウェア(OCW)、大規模公開オンライン大学(MOOCs)などの潮流を感じながら、本学でもアカンサス・ポータルと学生のPC必携化が馴染んできて、教育手法のICT化を少しずつ進めてきた実感があろう。ところが、新型コロナウィルスによって対面教育が困難になり、遠隔授業の緊急対応が必要になり、大半の教員がそれらの利用を迫られるという大転換に置かれた。いち早く対応したスタンフォード大学、ハーバード大学、MITなどの北米の大学では、この状況を、十分に準備され設計されたオンライン教育あるいは通信教育と区別して、緊急遠隔授業(Emergency Remote Instruction; ERI)と呼んでいる。

ERIでは、教員・学生ともに準備期間のない中で、ほとんどが1~数週間の検討ののちに、対面教育の代用手段としてオンライン環境を選ばざるを得ない状況に置かれた。本邦でも、東京大学や京都大学、大阪大学など数多くの大学がすぐれたリソース提供を行いながら試行錯誤している。国立情報学研究所(NII)サイバーシンポジウムや、筆者も登壇した関西大学FDフォーラム、分野別では医学教育学会による医学教育サイバーシンポジウムなど、かつてない勢いでの集合知が生まれてもいる。しかしながら、実験・実技・実習への対応、成績評価の問題など、対面授業の完全な代替とはなりづらく、対面授業に代わる方法論の考案が必要となる。さらには、緊急事態の解除に伴って対面授業が許容されるようになると、第2波に注視しながら、人数を制限したうえでのハイブリッド形式の学習環境を工夫する必要もある。

米Inside Higher Ed誌は、こうした大学教育の新しい日常に対して「秋以降の15のシナリオ」を提唱している。紙面の都合上、このうち北米のFD担当者の協会であるPOD Networkの有志によるオンライン投票で高いニーズのあった2つに絞って以下に仮訳し紹介する [1] 。

 

  1. ハイフレックス(A HyFlex model

ハイフレックス(HyFlex)モデルは、おそらく最も柔軟であり、多くの人にとって最も魅力のあるモデルとなるだろう。また、教員にとって、より困難な方法の一つにもなりえる。このモデルでは、同じ教員が、授業を対面とオンラインの両方で実施する。学生は、キャンパスに戻るか、家に留まるかを選ぶことができる。キャンパスにいる学生は、対面授業を選択した場合、大学に教室内でのソーシャル・ディスタンスの制限をより強く受けることを許容し、指定の授業時間を割り当てられる。このモデルは、同期的な学習を重視する傾向があり、上手く行うためには、授業中でのリアルタイムでの授業内学習支援(TAまたはオンライン上の学生を管理するコース・アシスタント)、意図的に設計された教室環境、そして学生と教員の両方から多大な忍耐力を必要とする。

 

  1. ブロックプラン(A Block Plan

このシナリオは、いくつかの大学がすでに行っていることを模倣するものである。学生は、一度に一つの授業を、相当に短い期間(3週間か4週間)のセッションまたはブロックで、セメスター全体を通して受講する。興味深い集中的な教育方法であることに加え、この利点は柔軟性にある。何かパンデミックに関連する状況に変化、たとえば新たな第二波の感染症のような状況があった場合、大学は、遠隔授業や対面学習をブロック間の休憩に以降させることがより簡単にできる。

 

なお、Chronicle of Higher Education誌が全米1,060大学を追跡調査した秋学期対応の検討状況は、対面61%、ハイブリッド方式20%、オンライン8%(上位3つ)となっている(6/30現在)[2]。

緊急遠隔授業(ERI)から得られた知見・経験をどう活かし、新しい日常につなげていけばいいのだろうか。いま私たちが手にする道具やマインドセットを手放す必要はないだろう。それは「デジタル時代の教育学(デジタル・ペダゴジー)」であり、データやテクノロジーを理解すると同様に、人間の知性とリテラシーを涵養する教育の在り方に改めて焦点を当てることになるだろう。

“デジタル・ペダゴジーとは、正しくはデジタル・テクノロジーを使って教えることではなく、むしろ批判的教育学の視点からデジタルツールにアプローチすることにある。つまり、ツールを熟考して使うことと同じくらい、ツールを使わないと決めること、ツールが学習に与える影響に注意を払うことが重要である。”(Hybrid Pedagogyより [3] )

[1] “15 Fall Scenarios – Higher edcatuion in a time of social distancing”, Inside Higher Ed, 2020/4/22 https://www.insidehighered.com/digital-learning/blogs/learning-innovation/15-fall-scenarios
[2] “Here’s a List of Colleges’ Plans for Reopening in the Fall”, The Chronicle of Higher Education, 2020/4/23 (2020/6/30更新) https://www.chronicle.com/article/Here-s-a-List-of-Colleges-/248626
[3] “Hybrid Pedagogy” https://hybridpedagogy.org/tag/what-is-digital-pedagogy/

 

韓国における新型コロナ・パンデミックに関わる大学の状況

高等教育開発・支援系 渡辺 達雄

 

韓国で新型コロナウイルス患者数が増加した1月末に、韓国教育部は小中高校の新学期の延期を決め、大学についても、2週間遅れ(3月中旬)で授業を開始し、当分の間オンライン講義によって実施する指針を出した。指針に従いつつも、韓国の大学は相当に混乱している。動画講義を準備する時間があまりなかったことや準備のための設備などインフラの整備(増備)が間にあわないからであった。韓国ではサイバー大学と呼ばれるオンライン講義を中心に運営されている大学を除く一般の大学の場合、オンライン講義の比率を提供されているすべての講義の20%以内に収めるいう基準があり、これまで大学は今回のようにオンライン講義に必要なインフラ構築にあまり積極的でなかったといえる。大都市圏の大規模大学を中心に、教授学習センター(Center for Teaching and Learning)といった専門の部署を設置しているところも多く専門スタッフや専門機材などを抱える大学もあるが、それら全てに対応するすることは当然限界がある。

準備不足はハードだけでなく、ソフトや人の方にも問題がある。大学(本部)側はガイドラインだけを作成し、後は各教員の裁量に任せるというケースが多いようで、これまでオンライン講義などに無縁だったシニア教授などは四苦八苦している状況であるという。 もちろん若手教員でも試行錯誤を繰り返しながら準備を進めており、思い通りにはいかないようである。講義配信においても様々な問題が生じている。例えば、他大学や他学科の学生や、まったくの外部の一般人まで配信中に乱入して妨害するようなケースもあるといい、大学が運営するサイトで、認証済みの学生(受講生)のみがアクセスできるようにしているところもあるが、同時に接続が殺到したためにサーバーがダウンしアクセスできない問題も発生するなど混乱は続いている。韓国は(高速)インターネットの普及率やインフラ整備が先進国と比べても先をいっていると言われる中で、準備の時間も不足したままスタートした結果、このように大学の現場では様々な困難にぶち当たっている。

大学や教員だけでなく、学生とくに新入生の不満も高まっている。「オンライン講義しかないのであれば授業料を安くすべきではないのか?」という指摘が多数なされいて、例えば、韓国を代表する高麗大学の1年間の授業料は約800万ウォン(約80万円)だが、同大学の「高麗サイバー大学」の年間授業料は約200万ウォンと4分の1程度である。大学の施設利用が少ないなどの理由で安く設定できるのだが、上記のような状況でほとんどサイバー大学と同じような条件であるなら、学費も安くという学生の主張も理解できる。新型コロナウイルスの感染防止のためのオンライン授業で満足な教育を受けられなかったとして、韓国の46の大学生約3500人が7月1日、大学と国などを相手取り、授業料の一部返還を求めてソウル中央地裁に提訴した。学生らは図書館などの大学施設を使えず、実験や実習もできなかったとして、「期待していた教育を受けられず、精神的な苦痛を被った」などと主張している。

 

 

 

イベント案内

 

高等教育開発・支援部門では、遠隔授業に対応したオンラインFDランチョン・FD研修会を実施しています。詳細は、アカンサス・ポータルのメッセージからの案内や、当部門Webサイトのお知らせを参照ください。

 

第1回部門セミナー「開かれた大学とキャリア教育」(7/17開催)

今日、大学の役割として、地域貢献・産学連携が重要になってきました。これは、同時に、大学が開かれた視点から人材育成を行う契機でもあります。今回、イノベーションの現場に詳しく、ニコ技深圳コミュニティ、NT金沢で活躍されている、高須正和氏(スイッチサイエンス)、秋田純一氏(金沢大学理工学域教授)をお迎えして、ビジネスを通じた学び、ビジネスと研究活動の違い、コミュニティ・リーダーとしての教員、アウトプット・ネットワーキングのためのスキル、副業が広げるキャリアについて、考えてみたいと思います。好奇心や内発的動機、学生中心主義、コミュニティ形成、生涯学習など、大学教育を活性化することに関心を持つ教職員の方々の参加を期待します。

日時:7月17日(金) 午後2時〜4時
開催:Zoomによるオンライン開催
司会:吉永契一郎(金沢大学国際基幹教育院教授)
講師:高須正和氏(スイッチサイエンス・早稲田大学非常勤講師)
秋田純一氏(金沢大学理工学域教授)

Zoomを使用します。登録フォームはポータルメッセージを通してお知らせします。

参加登録締め切り:7月15日(水)午後5時
参加者数:100名まで

 

Webサイト情報

オンライン授業に関するガイド・リソースを随時更新中です。遠隔授業設計に関する情報、LMS(WebClass)マニュアル・ガイド、お役立ちリンク集などを掲載しています。ぜひ、ご覧ください。https://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/support/online/

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