【No.588】
高等教育開発・支援系/部門ニュースレターNewsletter第5号(6/1)

PDF版:ニュースレター第5号

新年度を迎えて

高等教育開発・支援系/部門長 吉永 契一郎

この度、高等教育開発・支援系/部門長に就任いたしました吉永契一郎です。毎日、古い町屋の並ぶ路地から、知事公舎、金沢城、兼六園を経て、角間に通っています。この通勤路は、朝方は、前方に、朝日と雪山、夕方は、日本海に沈む夕日を浴びて、歴史的な風情と四季折々の変化に富んでいます。今年は、17年ぶりの大雪で、車が立ち往生をするという経験をしましたが、2ヵ月後の今、新緑の中を、支障なく通勤できることに改めて感謝しています。今年は、総合教育部の担任として、新入生のお世話もすることになりました。

今日、激動の時代にあって、高等教育には、大きな不安が生じています。この不安は、少子化・財政難・国際化・情報化など社会的要因によるものですが、その根源には、社会構造の変化に伴い、身につけるべき能力観が転換期を迎えており、これまでの教育手法が根本的な再検討を迫られていることによります。

これまでの教育は、教員の指示に従って、学生が、解法や知識を忍耐強く習得し、テストで再現することを目標にしてきました。これは、職場において、確立されたモデルや技術を前提に、階層秩序の中で、定められた手続きに従って、ミスなく仕事ができることが求められていることに対応しています。この仕組みが、安定した行政組織、品質の高い製品を生み出す生産活動、きめ細かなサービスを生み出したことは疑いがありません。

しかしながら、ネットワークや情報処理能力の高度化は、人間を定型化できる作業や情報抽出、パターン認識から開放しつつあります。そこで、新たに求められている能力が、判断力・創造力・批判力・感性・表現力・リーダーシップ・企画力などの能動性です。さらには、イノベーションの観点から、集合知の生み出す力、一つの専門分野よりも分野を横断する力が重視されています。アクティブ・ラーニングの導入は、このような背景に対応したものです。

以前、アメリカの工学教育で最先端を行くOlin Collegeを見学した際、学生が、初年次から、まずは、自分で見つけた課題に取り組み、必要な知識や技能を後から習得するというカリキュラムが実践されていました。プロジェクトに対する所有感・責任感からか、学生は目的意識が高く、受け答えも明瞭で、昼夜を問わず、自主的に課題に取り組んでいました。ここでは、一通りコースワークを終了した後に、自由研究に取り組むという従来型のカリキュラムが逆転し、正課と課外の間に境目がないように見えました。Olinの事例が示すことは、イノベーション人材を育成するためには、既存の知識や技術の習得に力を入れるのではなく、早い段階から、どんな小さなことでも、試行錯誤によって、何かを達成する経験が重要であるということです。まず、課題を見つけて、次に情報や技術を見つけることができる人間のことを、MITメディア・ラボの伊藤穣一所長は、「ナウイスト」と呼んでいます。「ナウイスト」は、将来のための学習という考え方をしません。本部門の河内真美助教によれば、思考力を重視する国際バカロレアの基本的な教育理念も同じであるとのことです。

よくも悪くも、人間は、自分が受けた教育を繰り返す傾向があります。多くの教員にとって、「ナウイスト」的な発想は、過去の否定を伴うものであるかも知れません。しかしながら、日本の大学において、卒業研究に対する高い評価と比較して、3年間のコースワークに対する評価が低いことは、以前から知られていました。アクティブ・ラーニングは、卒業研究における学生の能動性・主体性を早期から実現するものです。これは、本来、人間の能力が最大限に発揮できるのは、内発的な動機から取り組んだ場合であるという事実に基づいています。同様な主張は、20世紀の初頭、ジョン・デューイによってなされていましたが、産業社会の呪縛が解けて、ようやく、彼の主張に戻ってきた観があります。

この春入学を果たし、新鮮な空気をキャンパスに満たしてくれている新入生には、限りない未来への希望を感じます。同時に、大学は、彼らに、自信と可能性を与える場でありたいと思います。金沢大学は、アクティブ・ラーニングにおける、全国的な拠点大学です。特に、アクティブ・ラーニング・アドバイザーは、効果的な取り組みですので、皆様のご協力をお願いいたします。

 

クオーター制でのカリキュラム

高等教育開発・支援系 西山 宣昭

大学のグローバル化に沿った学年歴として従来のセメスター制からクオーター制に変更し、合わせてカリキュラム改訂を行う動きが進んでいる。1セメスター(前期または後期)で行われる授業を1クオーターに圧縮して行うとともに、必須科目の各クオーターへの配置を調整することにより、4クオーターのうちの1クオーターと夏季あるいは春季の休業期間において学生の海外への留学等を可能にする。これは、アメリカのクオーター制を導入している大学の学年歴(autumn quarter, winter quarter, spring quarter, summer quarter)と構造は同じであり、実質3クオーターでの科目履修、1クオーターで4科目程度の履修という類型と対比される。グルーバル化の要請を受けてのクオーター制カリキュラムを学修成果の達成の観点からどのように積極的に捉えることができるであろうか。

西本による国立大学でのクオーター制導入状況の調査[1]では、セメスター科目とクオーター科目との共存、2単位のセメスター科目から週1回開講1単位クオーター科目への分割、2単位のセメスター科目から週2回開講(連続する時限での開講、異なる曜日での開講)2単位クオーター科目への変更など、クオーター制への完全移行に向けた過渡的な状況が認められる。本学においてもクオーター制導入に伴うカリキュラムについて検討が行われている。3月14日に行われた教育企画会議FD委員会主催の教育実践報告会では、経済学類と物質化学類の取り組みが紹介された。ともに実践に基づいたクオーター制カリキュラムによる効果と課題とが示された。経済学類では、平成28年前期からセメスター科目4科目のクオーター科目への移行について試行が行われた。週1回開講されていた2単位のセメスター科目が週2回開講の2単位クオーター科目に変更された。平成29年度には2単位科目の週2回開講を本格導入し、同日の連続する時限での開講または異なる曜日での開講が行われた。同一時限に開講される1単位の科目が履修できなくなる、連続する時限での開講の場合15回の授業後に試験を行うことになるなど、カリキュラム作成上の問題が残る一方で、週2回の集中的な学習による効果が望めることが指摘された。物質化学類では、2単位のセメスター科目を1単位のクオーター科目2科目に分割して開講されている現状が紹介された一方で、週2回開講の2単位クオーター科目への移行とともに1単位の演習科目をセットにすることについて検討されていることが述べられた。曜日が異なる2回の講義の間に講義に連結した演習を組み込むことによって学習効果を高めようとする狙いである。このような柔軟なデザインがクオーター制によって容易になると指摘された。アメリカのクオーター制を導入している大学の事例を見ると、週2回の講義3時間とTAによるディスカッションセクション75分とをセットにして3単位科目としており、集中的な学習と学習の定着・授業時間外学修とを両立させようとするデザインである。講義内容の定着、授業外学修の課題抽出など授業と授業外とのインターフェースとして1単位の演習を2単位の講義と組み合わせるデザインは、物質化学類で検討されているものに対応している。本学では、AP事業でALAの養成が進められており、このようなカリキュラムデザインに対応できると考えられる。集中的な学習と授業時間外学修の促進に適応するクオーター制カリキュラムについてさらに検討されることが望まれる。○○○[1]全国国立大学におけるクォーター制等の導入・実施状況について、西本佳代、香川大学教育研究 14(2017)7-15.

 

英語化授業の一助として

高等教育開発・支援系 渡辺 達雄

日本の大学における英語化は活発になってきている。主に英語圏出身ないし卒業の教員採用や事務業務の英語化もあるが、(日本人教員の)英語による授業を増やすことが各大学で目標として設定されている。英語化授業の推進が、大学の国際競争力を増すとの評価がある一方で、教育の質の低下をもたらすおそれもあると否定的な意見もあるが、ひとまず横において、英語化授業を実践するのに参考になり、手に取りやすいものを簡単に紹介したい。

教室英語として(中高レベルで)英語で英語を教えるための書籍は多く出版(例えば、高梨庸雄ほか著『教室英語ハンドブック』研究社、2016年)されているが、大学教育の環境を前提に実際に活用できる(授業場面別の秘訣やフレーズ、注意すべき点)ことをねらいとし、また授業改善の手法を重視していること(学生の学習を促進するアイデア)から、振り返りにも役立つものとして、名古屋大学高等教育研究センターが作成した中井俊樹編『大学教員のための教室英語表現300』(2008年、アルク)、『英語で教える秘訣-大学教員のための教室英語ハンドブック:オンデマンド版』(2008年、アルク)が挙げられる。さらに東北大学高度教養教育・学生支援機構大学教育支援センターで作成された『PDブックレットVol.9 英語による授業実践ハンドブック』(2018年)(http://www.ihe.tohoku.ac.jp/CPD/wp/wp-content/uploads/2018/04/PDbooklet_vol9.pdfでも公開)も参考になる。アクティブラーニングの普及に活用できる小道具としては、同じく東北大学大学教育支援センター著『PDブックレットVol.7 ディスカッションが英語授業を変える』(2016年)(http://www.ihe.tohoku.ac.jp/CPD/wp/wp-content/uploads/2018/02/PDbookelt_Vol07.pdfも使える。

以上のものは分野や科目を問わず、基本英語表現の習得を目指しているが、個々の専門内容を教えるという点(より具体的に)を考慮するなら、名古屋経済学教育研究会編『経済学英語ハンドブック 授業で使える例文集』(http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/publications/file/english_handbook.pdf)、九州大学大学院生物資源環境科学府『英語による授業のためのハンドブック』(2009年)や同大学院医学府『アジア保健学コース英語授業のためのハンドブック』http://www.shs.med.kyushu-u.ac.jp//app/modules/report/uploads/0000000019_file1.pdf

が挙げられる。各分野や科目で多用される専門学術英語の一覧や例文も多数含まれていて、英語で授業を始めるのにハードルを下げる一助になるであろう。

 

アクティブラーニング深化を目指して

高等教育開発・支援系 杉森 公一

授業をどうするのか。私たち大学教師は、日々の研究とともに多くの時間を教育実践を通した学生の学びに向き合っている。授業内外での学生の「書く」「話す」「発表する」といった能動的活動を通して、学生の学びの深化を促すことを目指すアクティブ・ラーニング型授業には、授業設計と授業実践のファシリテーション能力も求められる。さらに学生には、正課教育や関連する準正課活動への参画を機会として、卒後までには自ら考え行動できる市民(社会を形成するアクティブ・ラーナー)になってほしいと期待したい。

授業設計と教育実践のふりかえりと共有は、授業改善の基盤であり、大学教員の職能開発(ファカルティ・ディベロップメントを超えた広義のプロフェッショナル・ディベロップメント)を同僚と共に学んでいく契機であろう。昨年度、大学教育再生加速プログラム(AP)とスキルアップセンターが共催となったFDランチョン・FDワークショップ、医学類(医学教育研究センター)との共催によるFD研修会@宝町キャンパス・シリーズ、各学類のFDリーダー教員と相談しながら共同企画した学類FD研修等、アクティブ・ラーニングに関連する研修は、年間35回のべ500名の参加者を数えている(FDランチョンは、研修ビデオとなっており学内からいつでも参照でき、のべアクセス数は50名・400回)。

こうした学内での研修実績に基盤を置いた、文部科学省から認定を受けた教育関係共同利用拠点の提供プログラムには、北陸・中部を中心に広い地域の大学等からのFD・SD研修担当者の参加の輪が広がっている。

このような研修を貫くのは、授業設計・研修設計を構成する要素への注目である。アクティブ・ラーニングの技法のみに目を奪われがちであるが、あまりに導入・輸入に偏るならば手段の自己目的化に陥りがちとなる。そこで、学修目標→学修評価→授業方法の3側面が統合されているのかという枠組み(特にこの順を、逆向き設計のアプローチという)を強調したい。逆向きの授業設計を意識することは、内容の詰め込みという網羅主義と、学びの深まりを伴わない活動・経験主義の双子の過ちを乗り越える鍵となる。また、学びの道標としての学修目標を明確にし、目標に対する形成的アセスメントが求められよう。教師の責任から学生への責任にいたる効果的な指導の枠組み(安藤輝次2018、フィッシャーら2017)や、自己の学習のオーナーとしての学生の活性化をはかる(Wiliamら2015)といった視点は、授業設計の向こう側にある学修設計を、学生の手に渡していくことでもある。教師と教師の間での教育実践の共有と省察、教師と学生の対話、学生と学生同士の協働・協同を経て、それぞれが「自分ごと」としての学びを深くつかみとっていくことを目指していきたい。

 

[1] 安藤輝次『持続的な学びのための大学授業の理論と実践』関西大学出版部、2018年

[2] フィッシャー&フレイ、吉田新一郎訳『「学びの責任」は誰にあるのか 「責任の移行モデル」で授業が変わる』(原題 Better Learning Through Structured Teaching新評論、2017年

[3] Wiliam, D., Leahy, S. “Embedding Formative Assessment: Practical Techniques for K-12 Classrooms”, Learning Sciences International (2015)

 

障がい学生支援室担当より

高等教育開発・支援系 濱田 里羽

障がい学生支援室担当の濱田里羽です。支援室では学生の障がいや疾病による学修上の困難について相談にのりながら助言や学修環境の調整を行っています。学生本人と相談し、必要な場合は教職員の方々や保護者の方と支援や配慮について相談、共有させていただくこともよくありますが、関係の方々にはいつも快くお時間を作っていただき、大変ありがたく感じているところです。

障がい学生支援室の場所は本部棟2階です。授業期間中の月・水・金12:10~13:30に開室しており、水曜は室長の武居渡先生(学校教育系)、月曜・金曜は支援室専任教員の濱田が学生、教職員、保護者の方からのご相談に対応しています。支援室については、以下のページもご覧ください。

https://www.kanazawa-u.ac.jp/campuslife/livelihood/disabilities

 

「大学教育再生加速プログラム(AP)」 事業

高等教育開発・支援系 河内真美

本学の「大学教育再生加速プログラム(AP)」事業担当の特任助教として、アクティブ・ラーニング(AL)型授業の導入・深化への支援と学修支援のための環境づくりに携わっています。AP事業とは、「国として進めるべき大学教育改革を一層推進するため、教育再生実行会議等で示された新たな方向性に合致した先進的な取組を実施する大学を支援することを目的」に行われる文部科学省の補助事業です。平成26年度よりテーマⅠ(アクティブ・ラーニング)・テーマⅡ(学修成果の可視化)複合型に採択された金沢大学では、学生の主体性を涵養するカリキュラム・教育方法・学修支援環境の統合的な改革を目的として、①学域・学類の中核をなす科目群でのALの深化・充実、②ALに適した学修環境の活用・展開、③学修過程・成果の可視化による学修評価の定量的評価(IR)の3施策に取り組んでいます。当初は、人間社会学域と理工学域の専門教育を対象に実施していた事業ですが、一部の取組については平成29年度より共通教育および医薬保健学域の専門教育へとその対象を広げ、現在では全学的な事業として発展してきています。

上記3施策のうち、私は主に施策①と施策②を担当しています。施策①(ALの深化・充実)については、各学域・学類等においてALの多様な技法を効果的に取り入れている授業をパイロット授業として選定し、その授業実践記録である「授業カタログ」の収集と学内教員への共有を進めてきました。また、授業カタログの作成支援をはじめとして各学類におけるAL推進の中心的役割を担っているFDリーダーを含め全学の教職員等を対象に、ALや授業設計、学修評価等に関する研修(FDランチョン、FDワークショップ)を国際基幹教育院スキルアップセンターとの共催で実施しています。施策②(学修環境の活用・展開)としては、グループ学習に適した教室の整備とともに、授業時間内外で受講生の学修を学生が支援するというアクティブ・ラーニング・アドバイザー(ALA)制度を展開してきました。ALA制度はAP事業のもとで当初導入されたものですが、現在では年間300人を超えるALAが担当授業で学修支援活動を実施しています。これらの取組を通じて、AL型授業や学修支援の「理想型」を普及するというアプローチではなく、既存の多様な授業実践等の共有を起点とする教員同士の学びあいや学生同士の学びあいを促す環境をつくるというアプローチから、教員の実践や学生の学修をより豊かにしていく支援ができればと考えています。

研究面では、学生の深い学びを促すための授業設計・教育方法とともに、ALAなど学修支援活動を行う学生の制度や養成をテーマに取り組んでいきたいと思います。また、高等教育と直接的な関連はありませんが、大学院生時代から進めてきた、発展途上国といわれる国々などで社会において求められている十分な識字能力をもたないがゆえに人々が抱えている困難などの識字問題を解消することがどのように可能かについての探究も継続していきたいと考えています。

 

総合教育部のアカデミック・アドバイジング

高等教育開発・支援系 中野 正俊

総合教育部でアカデミック・アドバイザーとして活動を始めて早1ヶ月が過ぎました。入学時の履修ガイダンスとオリエンテーションで学生と顔を合わせてからは、導入科目や理系基礎科目の授業、ランチョンセミナーの開催など、まずは顔を覚えてもらい話しやすい環境を作る事を考えてきました。入学直後は履修方法についての相談もありましたが、その後は勉強方法や総合教育部の移行方法について、学類ごとの詳細などの相談を受けています。

学修支援の一つとして、理系の学生は基礎科目(物理、化学、数学)の先生が中心となってリメディアルの時間を設けています。ここでは、各科目の授業でわからない点を先生に質問したり、レポート課題や資料の準備など自由に勉強できる場所を用意する事で学生が自主的に勉強に取り組んでいます。ランチョンセミナーやリメディアルの中で学内リソースを紹介するなど学生の学びに結びつく活動は総合教育部の学生は特に興味がある事が実感でき、学修の手助けになればと微力ながら努めております。また、日頃から学生と接点を持つ事がアカデミック・アドバイジングの中で重要ではないかと活動の中で感じており、金沢大学でのアカデミック・アドバイジングの在り方にヒントをもらいながら活動を続けています。

アカデミック・アドバイザーとしては、事前に予約をしての個別相談を主としていますが、上記のリメディアルの時間にも開放している教室内で随時質問を受け付けており、レポートや勉強方法を一緒に考えたり、普段の立ち話の中で簡単な質問を受けるなどしています。積極的な学生が多く私自身が教わる事がたくさんありますが、学生と一緒に総合教育部を盛り上げていきたいです。

 

アカデミック・アドバイジングとは

高等教育開発・支援系高等教育開発・支援系 アカデミック・アドバイザー 井上咲希

アカデミック・アドバイジングとは、アメリカで発展してきた学生支援の一環である。日本よりも多様な学生が通うアメリカの大学にとって、アカデミック・アドバイジングは欠かせない機能となっている。アメリカでは履修相談をはじめ編入にかかる単位読替えなどの手続き、卒業判定など教務の仕事も受け持つ専門職員として確立しているが、日本では初学者ゼミや4年次のゼミ教員が面談をしたり、成績不振の学生を支援したり、学習(修)支援に関わる仕事というイメージが強いかもしれない。

金沢大学では2018年度より、一括入試を実施している。文系・理系という大きな括りで入学し、1年間共通科目を学んだうえで行きたい学類を選択するという制度である。学生は共通科目を通して自分の興味のある分野や、将来の進路につながる分野を検討して学類を選択するが、選択するには情報やある程度の支援が必要である。そこで金沢大学はアメリカで行われているアカデミック・アドバイジングに注目し、アカデミック・アドバイザーを一括入試で入学した学生たちの支援に充てることにした。アカデミック・アドバイザーは初学者ゼミの担当者とは別に存在し、学類選択支援を本務とする専門教員である。アカデミック・アドバイザーは担任教員や、学務係の職員と連携を取りながら、学生の相談に乗ったり、学類の情報を学生に伝えたりといった活動を行っている。

2018年度は文系約60名、理系約80名が入学した。それぞれ文系は人間社会学域、理系は理工学域もしくは医薬保健学域へと進学していくことになる。それぞれの学類が異なる卒業要件を持っているため、学生には細やかな情報伝達が必要となる。アドバイジングが行われるアドバイジング・ルームでは、各学類の履修要項や資料が用意されており、学生は自由に確認することができる。またアドバイザーや担任教員、学類の教員にも個人的に相談することが可能である。

学生たちが自身を振り返り、自分の学びたいことを見つけられるように、これからも必要な情報を提供し、各部署と連携して支援を続けていきたい。

 

 

イベント情報

2018年6月8日(金)金沢大学・山形大学・大正大学合同シンポジウム

「大学組織変革は誰がいかに担うのか?」

2018年6月14日(木)FDAL「アクティブ・ラーニングを共に考える」

2018年6月22日(金)〜23日(土)FDAL合宿型プログラム

(6月23日(土)は、SDLPデイタイム型プログラムと合同開催)

 

5月〜8月期 スキルアップセンターFDランチョン&FDワークショップ

(大学教育再生加速プログラム(AP)事業との共催)

授業設計やアクティブ・ラーニング(AL)のために効果的な手法、学習支援、評価方法など幅広い内容を取り上げていきますので、ご関心とご都合に合わせて、ご自由にご参加ください。

詳細は以下、Webサイトを参照ください。

 

Webサイト情報

「系/部門の紹介・ミッション」、「ニュースレター」ほか、FDランチョン&FDワークショップ開催情報、授業設計支援・教育コンサルティングの申込を随時行っています。

金沢大学 国際基幹教育院
高等教育開発・支援系/部門金沢市角間町
金沢大学総合教育1号館
http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp

新URL: http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/