【No.587】
高等教育開発・支援系/部門ニュースレターNewsletter第4号(11/1)

PDF版:http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/news/pdf/20171101HERD_Newsletter004.pdf

 

教育関係共同利用拠点<大学の職員の組織的な研修等の実施機関>認定について

国際基幹教育院高等教育開発・支援部門は、2017(平成29)年8月16日、文部科学省より教育関係利用拠点として認定を受けました。

「教育改善・大学の組織開発を支える研修人材育成拠点」
(金沢大学国際基幹教育院 高等教育開発・支援部門)
認定期間は2018(平成30)年度末(平成31年3月31日)までです。
(認定拠点一覧:http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/daigakukan/1360542.htm

各大学の自律的な改善活動を実現するFD/SDを牽引する研修担当人材の育成をめざし、2つの教育研修プログラム「学修を支援する学生アドバイザー(アクティブ・ラーニング・アドバイザー)養成教員・職員プログラム」「自律的な大学組織開発を実現するSDリーダープログラム」を提供します。今後、部門Webサイト等を通じてプログラムをご案内します。

主な対象:学生アドバイザー(授業内外でのTA・SA)制度の運営及びアクティブ・ラーニング型授業・学修支援の研修に関心のある教職員、SD研修の設計及び組織デザイン・マネジメントに関心のある教職員

 

タフツ大学授業設計ワークショップ(Course Design Institute)参加報告

高等教育開発・支援系 杉森 公一

2017年1月、タフツ大学CELT(Center for the Enhancement of Learning and Teaching: 学習教育改善センター)主催の授業設計ワークショップ(Course Design Institute: 以下、CDI研修)に参加した。その体験から得られた、本邦の教育開発への洞察について概要とともに報告する。

タフツ大学CELT http://provost.tufts.edu/celt/ は、スタッフ9名を擁し学内FDプログラム・資源の提供を行っている。2016年2月にはKU-GLOCSのセミナーシリーズACT.33のためディレクター・副ディレクタ―を招いた講演会が開催された。そのFDプログラム群は年間を通じて開催され、学科長クラスから新任教員までを対象に幅広く開催されている(以下)

  • Academic Leadership Development Program
  • CELT Faculty Fellow Seminar
  • Course Design Institute (CDI)
  • Faculty Institute for Learning Assessment
  • Large Lecture Consortium
  • Learning Communities
  • Mid-term Feedback
  • OEA/CELT Teaching Scholars

今回参加したCDI研修は、自薦による応募制を取るものであり、4日間開催される。参加者は8~12名に限られており、講義型ではなく実践型で、教員個別の課題を持ち寄って振り返りを行う場であることが特徴である。また、学科・専門分野を横断した学際的なコミュニティ形成を意図している。参加者は、タフツ大学独自のLMS(学習管理システム、本学のWebClassと類似)であるTufts Trunkにログインし、ショートビデオ・文献・リソース・リンク集へのアクセス、フォーラムを通じた自己紹介やディスカッション、Trunkのメールシステムを通じた課題ファイル送信を行う。例えば、事前にショートビデオを視聴し、フォーラムへ記入したから研修に参加する反転授業、事前に提示された指定文献を読んで、異なる指定文献を読んできた者同士でのジグソー形式のグループディスカッションなどを行う。毎日配布される資料・アジェンダ・ワークシート・ジャーナルは、バインダーにひとまとめに綴じるようになっており、学習が容易になるように工夫されている。4日間のモジュールは、以下のようになっており、各自がコースマップと呼ばれる授業設計ポスターの完成を共有することがゴールである。

DAY1 授業の目的と学修目標

DAY2 コースマップの設計

学習モデル・学習理論・優先順位

教授内容/スキル/ノンコンテントスキル

DAY3 課題、評価、活動、評価基準の開発

評価のモデル、課題のフィードバック

DAY4 ふりかえりと修了式

コースマップの完成 グループごとのポスター発表

私が作成したコースマップは、大学院生向けに英語で行う授業を想定して作成した。学習目標・授業内容・課題を設定することを毎日1列ずつ埋めていくのだが、午前に受けた研修内容と討論を反映させることで、一人ではなかなか進まない設計へのヒントや他の異なる分野の参加者のアイディアに強く触発されて、なんとか完成させることができた。

これまでの参加教員の声が、CELTのWebサイトに掲載されているが、いくつかを抜粋する。

「この研修を3020105)年前に受けたかった。今より格段に良い教員になっていただろう。」

「学生たちが、私の教えていることをきちんと学習できているかどうかを確証する術がわかった。」

「もっと長くこの研修を受けたかった。」

「他の教員と話して、別の分野からの見解を得たことはとても素晴らしかった。」

「授業設計の方法が変わりそう。これまではカバーする課題とトピックをもとに通常の授業設計をしてきた。最優先するゴールと目標を考えるという発想は、大いに参考になった。」

「評価する方法も変わりそうだ。与えられた基準に厳格に行ってきたが、学生が学んだこと・努力したことをよく見ようと思う。」

「すばらしい教材と活動。多くの学科から集まったメンバーに触発された。」

本邦FDプログラムへの示唆がいくつか得られた。あらゆる発想が逆向き(目標から課題が設定され、課題から活動が導かれる)に設計されていること。対話と活動を中心にしており、教員の多様性と包摂性への挑戦が、研修全編にわたって貫かれていること。教員の教育に対する使命感の高さがあること。

このようにCDI研修は、実践共同体のモデルを用いた対話型研修プログラムであり、CELT教員の専門性と経験に負うところが大きい。本学の文脈に合わせた対話型研修プログラムの開発に向けて、単なる輸入や翻訳にならないように留意しながら、授業設計を柱にしたFDワークショップの体系化を計画しているところである。研修参加者一人一人の自発的な取組が、教員相互の学びにつながるように願っている。

 

FDランチョン・FDワークショップのご案内

国際基幹教育院スキルアップセンターは、大学教育再生加速プログラム(AP)事業との共催で、FDランチョンとFD ワークショップを10月から始めます。3月まで毎月2回程度開催する予定です。
授業設計やアクティブ・ラーニング(AL)のために効果的な手法、学習支援、評価方法など幅広い内容を取り上げていきますので、ご関心とご都合に合わせて、ご自由にご参加ください。http://herd.w3.kanazawa-u.ac.jp/support/fd/

 

高等教育開発・支援系/部門Webサイト公開

2017年4月より、系/部門Webサイトを公開しています。「系/部門の紹介・ミッション」、「ニュースレター」及び旧大学教育開発・支援センター発行の「週刊センターニュース・アーカイブス」ほか、セミナー情報、授業設計支援・教育コンサルティングの申込を随時行っています。