【No.448】
センターの25年度重点活動について

 

●○●センターの25年度重点活動について●○●

本学では第2期中期目標・中期計画に沿って、学位授与方針あるいは学習成果を明確化し、それらの学習成果を達成するためにカリキュラムの検証や開発を行い、そのカリキュラムを可視化(カリキュラム・マップ、カリキュラム・ツリー)し【4-1】【5-1】【6-1】、授業科目の学習目標の達成度評価の基準(成績評価基準)を明確にし【10-1】【10-2】、教育プログラムの学習成果の達成度の評価方法を開発し【13-1】【13-2】、その評価結果に基づいてカリキュラム、授業の教育内容、教育方法の改善を行うPDCAサイクル、つまり教育の内部質保証の仕組みを構築し運用しようとしている。このPDCAサイクルを回転させることは、「金沢大学におけるFD活動指針」を実質化させることに対応している。当センターは、金沢大学におけるFD活動指針第8「大学教育開発・支援センター及びFD・ICT教育推進室は、FD及びSD活動に対し、必要な支援を行う」に基づき、本学が行う教育の企画・実践・評価・改善について有効な支援を行うことを重点課題とし、特に学習成果の達成度評価の方法についてはここ数年重点的な調査研究を行っている。

教育の内部質保証で最も重要なのは教育内容、教育方法の改善が行われるかどうかであるが、当然のことながら、教育プログラムおよび授業科目の最善の改善はそれぞれの分野を専門とする部局、教員によってのみ可能となる。実際に、各部局で進められている課題探求力、課題解決力を養成するためのアクティブ・ラーニングや各研究科で平成22年度から国の特別経費で実施された「大学院改革による高度専門職業人(研究開発型人材)の育成」など、本学独自の取組が行われている。上記のPDCAサイクルを定常的に回転させるためには、改善が必要かどうかを部局や教員が判断するためのデータが重要となり、教育プログラムの学習成果および授業科目の学習目標の達成度に関する信頼できるデータをいかに収集し分析するかが問題となるが、少なくとも従来の授業評価アンケートだけでは不十分である。中期計画【13-1】【13-2】は、この点の改善を行うものである。当センターは、このような問題意識から、24年度は上記のPDCAの各プロセスを検証するための方法論に関する調査研究およびデータ収集を行った。

 アメリカ、フィンランド、ドイツ等、海外の高等教育における教育プログラム評価のシステムについて科研費に基づき調査研究を行った(堀井祐介)。また、アメリカの大学における授業評価ツールとしてのルーブリックの活用事例、国内の他大学の授業評価および学習成果達成度評価の事例について調査研究を行った。以上の成果については、当センター主催の評価システム研究会で発表するとともに、週刊センターニュースによって学内での情報共有に努めた。

 カリキュラム検討委員会は、各学類のカリキュラム・マップに明記されている学習成果の達成度の間接評価として、学習成果の達成状況を自己評価させるアンケートを2年次、3年次学類在学生および卒業予定者に対して実施した。当センターは、中期計画【13-2】に基づき、この学生を対象とする学習成果達成度自己評価アンケートと対をなす教員を対象としたアンケートを実施した。このアンケートは、担当する学類専門科目がカリキュラム・マップにおける学習成果の達成に寄与したかどうかを担当教員に自己評価させるものである。さらに、授業科目ごとの学習目標の達成度を受講生に自己評価させる授業評価アンケートの設計を行った。

 今年度は、このように収集されたあるいは収集の準備を行ったデータをいかに分析し、上記のPDCAの各プロセスを各部局や教員が検証するための有効な情報を引き出せるかについて検討する。例えば、学位授与方針や学習成果に照らして有効な成績評価基準になっているか(中期計画【10-1】【10-2】、大学評価学位授与機構による機関別認証評価基準【5-3】【5-6】)、学位授与方針や学習成果に照らしてふさわしいカリキュラム、授業科目、授業内容となっているか(中期計画【4-1】【5-1】【6-1】、大学評価学位授与機構による機関別認証評価基準【5-1】【5-4】)を検証するために、カリキュラム・マップで特定の学習成果に紐付けされている授業科目群について、成績評定と授業科目の学習目標の達成度の自己評価との相関を調べる(成績評価基準が学習成果と整合しているのであれば強い相関が現れることが期待できる。)、学習成果の達成度の自己評価とカリキュラム・マップで特定の学習成果に紐付けされている授業科目群の学習目標の達成度の自己評価との相関を調べる(カリキュラム・マップにおける学習成果と授業科目の学習目標とが整合しているのであれば強い相関が現れることが期待できる。)などが考えられる。カリキュラムの有効性や学習成果の達成度をどう評価するかは重要な課題であり、今後、全学的な議論が必要である。

                         (文責 大学教育研究開発部門 西山宣昭)

 

●○●新任教員の自己紹介(特任助教・清剛治 平成25年4月1日着任)●○●

大学間連携共同教育推進事業を主担当として、「課題解決型グローカル人材育成システム」の構築を新たに推進していくミッションを頂きました。石川県内の高等教育機関が共同し、地域自治体や企業と、連携・協働することにより学生教育プログラムを策定していきます。

この取り組みは、実社会の課題に直面する実務者との、相互コミュニケーションの増大・緊密化が図られることによる協働シチュエーションが創出される点において、さらにはその連携・協働による学生教育実践を、個別教員の取り組みにとどまらず組織的・ネットワーキング型で推進していく点において、大学教育(経営)に新たな意義をもたらす可能性があるものと考えています。

大学が、グローバリゼーションの渦中にある地域社会に対し、貴重な資源(人的資本・知・技術,等)を提供し、地域競争優位へと導くには、学習地域(learning region)がソーシャル的に形成されていることが知識基盤社会においては重要であると思われます。

学生がそのようなネットワーク上において、地域社会との自らの繋がりを意識し、担うべき役割を模索しながらも実践していく中で、不確実性に対処すべく、主体的に課題の探求・解決を行っていける力量を養うことが、グローバルに地域で生きる一員としての、自覚・行動喚起へと導く方法論の一つであると考えております。

このような特色ある『“教育連携”地域システム創造』への新たなチャレンジは、私がこれまで、大学所属の立場から産学官における“技術連携”を、地域システムとして実務・教育・研究の三面から有機的に推進し、ささやかながらイノベーション創出に寄与してきた諸経験を十分に生かすことができるはずであり、本事業に対し諸成果を挙げていけるよう誠心誠意努力して参ります。