【No.444】
Student Learning Outcomes測定(米国MPAプログラムの場合)

 

○●○Student Learning Outcomes測定(米国MPAプログラムの場合)○●○
 2013年3月18日からの3日間に、「公共政策大学院の質保証システムの日米欧比較を通じた実証的研究」(基盤研究(C)、課題番号23531120、平成23年度~平成25年度、研究代表者:大阪大学評価・情報分析室 早田幸政))により、California State University Los Angeles, Department of Political Science (以下LA)、California State Polytechnic University, Political Science Department (以下Pomona)、California State University Long Beach, Graduate Center for Public Policy & Administration (以下LB)の3校を訪問し、いわゆるMPA(MASTER OF PUBLIC ADMINISTRATION)教育における質保証についての調査を行った。
 今回の調査での主たる質問項目は、1. 学生が身につけた能力(Student Learning Outcomes, SLO)をどのように測定するのか、2. 教育プログラムとしての質保証(Quality Assurance, QA)の仕組みについて、であった。1.については、LAでは、授業単位だけではなくプログラムレベルで考えており、先ず、授業での学生課題(学生の名前を匿名とし複数教員による採点)、成績評価による測定を第一段階とし、第二段階に学生アンケートによりカリキュラムと学生の課題、成績によるperformanceとの関係をチェックする仕組みを設けている。Pomonaでも、先ずは、学生レポートの複数教員による採点を第一段階とし、次に卒業時の学生プロジェクトを第二段階とする測定を行っている。
 一方、LBでは、もう少し詳細に話を聞くことが出来た。公共政策分野の学位プログラムに対するアクレディテーション(=「認証評価」)を行っているNASPAA(National Association of Schools of Public Affairs and Administration) のガイドラインで定義されている5つのcompetencyを独自の解釈でCSULBのMPAとしてのSLOを定義しており、それらを必修コース毎にあてはめ、コース毎に当てはめられたSLOを測定する仕組みを考えている。これらの仕組みは、現在、金沢大学でも進められているカリキュラムマップを作成し、該当する学習成果に○をつけ、それが達成されたかどうかをシラバス、成績評価、学生アンケート結果の関係から判断する仕組みとそれほど異なるものではない。LBでの具体例としては、プログラムレベルでは、student portfolio(現在は紙ベース、ePortfolioも検討中)をチェックし、学生集団としての強み、弱みを見るなどを行い、コースレベルでは、入学時と卒業前に知識の再確認を行っている。これは入学時と卒業時で同じものを使い、在学期間中の向上度合いを学生自身が自己評価する仕組みである。
 また、2.については、3校とも外部有識者中心のadvisory boardがあり、ここが、カリキュラムと学生の能力、カリキュラムと学生および社会の要望が一致しているのかなどをチェックする仕組みを持っており、それが教育プログラム質保証として大きな役割を果たしている。
 今回の調査を簡単にまとめると、以下の4段階でSLO測定、QAシステム構築が行われている。
1. 各授業科目で、設定したSLOにつながる学生の諸活動(レポート、課題、テストなど)を確認(直接的SLO測定)
2. 学生自身の振り返りにもなるアンケートの実施(間接的SLO測定)
3. これらを教育プログラムとして、それらの授業科目を体系的に整備し、教育プログラムとしてSLOを確認(自己評価QA)
4. 教育プログラムが体系的に整備され、学生および社会の要請に適したものとなっているかを外部委員によりチェックする(外部評価QA)
 これらの仕組みを整備するにあたり、アクレディテーション機関であるNASPAAのガイドラインは役立っているとのことであった。NASPAAのガイドラインおよびそれに基づくアクレディテーションにより、対象となる教育プログラムは、responsible、accountable、transparencyとなるとのコメントもあった。これらは、あくまでも公共政策専門職大学院MPAプログラムの話ではあるが、広く高等教育機関におけるSLO測定、QAシステム構築にも参考になるものと思われる。(文責 評価システム研究部門 堀井祐介)
 
○●○新任教員の自己紹介○●○
3月1日に大学教育開発・支援センターに着任しました、特任助教の濱田里羽です。大学では教育を、大学院では臨床心理学を学び、心の問題の解決や、成長のお手伝いをする臨床心理士の資格を取得しました。私はこれまで主に中学校のスクールカウンセラーや、大学カウンセラーなど教育現場で活動してきました。私たちはライフステージごとに特有の心の課題をもっています。大学生であれば、進路や就職、これからどのように社会と付き合うか、といったようなことでしょう。こうして悩みながらも課題と向きあうことで、私たちは自分の可能性を見つけ、成長することができます。
今回私は、大学間連携共同教育推進事業において、障がい学生等支援担当として採用されました。それぞれの事情を抱えた学生も、得意なことや長所を見つけ、それを活かして社会との関わりを作っていくお手伝いをしたいと思います。県内の学生支援に携わる先生方はもとより、教育関係、就職関係、地域の方々のお知恵を借りながら、学生がより開かれた可能性の中で学生生活を経験し、地域社会にお返しする道すじができるよう取り組んでまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。