【No.440】
ヘルシンキ大学の質保証の仕組み

 

○●○ヘルシンキ大学の質保証の仕組み○●○
  今回は、フィンランドヘルシンキ大学の質保証の仕組み について簡単に紹介させていただく。ヘルシンキ大学はフィンランドのトップ大学であり、1640年にトゥルクに設置された大学が1828年にヘルシンキに移ったフィンランド最古の大学でもある。学生数約36,500人、教職員数約8,600人の大規模総合大学である。以下に紹介する質保証に関しては、大学の英語版トップページに設けられている”Quality and Evaluation”タブからたどれるものである。ヘルシンキ大学における質保証のポリシーは、「質保証活動を通してヨーロッパにおける最高クラスの研究大学としての地位を強化する。教員、研究者、職員、学生といった大学コミュニティを構成する個々人が、それぞれの活動において、大学の質に責任を持つ。大学の質保証の仕組みは、大学コミュニティ全体、それぞれの部局、各構成員の活動および発展を支えるものである。」とされている。図1に示されているように、質保証は大学の戦略目標に基づくものであり、大学の通常活動の一部である。質保証活動の目的は各種活動の継続的改善であり、全ての部局、個々人の活動における改善の可視化である。
教育質保証の構成要素は、図2にあるように多岐にわたる。また、大学における教育とは、学科単位、教員団、大学全体で行うものである。そのため、「大学は教育の質および資源全体についての責任を負う。教員団は、学位、合意された目標の獲得および資源配置・優先順位付けに対して責任を負う。学科は、当該学問分野における教育および最終成果の質、より具体的には、カリキュラム設計、学習目標設定、成績評価基準および方法並びに職業資格の保証および教員の能力に対して責任を負う。個々の教員は、授業の質および教育義務の一部としての学修成果評価に対する責任を負う。学生は、自らの学修の向上に責任を負う。」とされている。ここで述べられていることは、学生も含めた大学構成員全体が各自の活動に責任を負うと言うことである。昨今、教育の質保証、学生の学修成果測定についての責任が求められているが、学生にも正しい自覚を持たせた上で各種活動を進めない限り、適切な教育質保証の仕組みは構築できないし、PDCAサイクルとしても回らないのである。
金沢大学でも、学生部、各部局など教育の現場では図2で示されている項目についての活動は行われているが、学生、教職員を含めた大学構成員全体がそれを認識しているかはまだまだ不安な状態である。大学教育開発・支援センターとしても、これまで学内の各種活動に関わってきたが、質保証に関して十分な機能を発揮出来ていなかった点を反省し、今後は、より積極的に教育質保証の仕組みを念頭に置いた活動を心がけたいと考えている。大学全体としても、現在、認証評価に向けた作業を進めているが、ヘルシンキ大学のようにホームページのトップに「金沢大学の質保証の仕組み」というバナーを設け、質保証体制を宣伝することで昨今の国際的な質保証要請へ対応する大学としての姿勢をアピールすることが必要ではないだろうか。(文責 評価システム研究部門 堀井祐介)
 
○●○教育実践報告会「能動的学修と学習成果」(学内限定)○●○
主催:教育企画会議教育改革部会 共催:教育企画会議FD委員会
日時:3月4日(月)15時00分-17時30分  
会場:メディア基盤センター2F プレゼンテーション室
趣旨:中期計画【8-1】の24年度計画「各学域・学類及び共通教育機構において、授業の形態や授業における教育方法の多様化の方策を引き続き検討し、実施可能な部局ではそれらの方策を実施する。」の実施の一環として、能動的学習に基づく課題探究・課題解決力等を養う学類の優れた取組みについて全学で共有し,各学類での取組みを促そうとするものである。
○●○第9回評価システム研究会○●○
日時:3月12日(火)16時~17時30分 場所:総合教育1号館2階大会議室
テーマ:学習成果達成度把握に関する他大学の事例調査報告
報告者:渡辺達雄、西山宣昭(大学教育開発・支援センター)
趣旨:学習成果の達成度をいかに評価し、教育改善にフィードバックするかは、今、社会から求められている大学教育の質保証の重要なプロセスであり、多くの大学が様々な取組を行っている。今回は、神戸大学の学習成果達成度を把握するために実施されている各種アンケート、および九州工業大学の学習成果達成度自己評価システムについて、聞き取り調査を行ったので、その結果を報告する。得られた知見は、本学が現在進めている内部質保証システムの構築に参考になると思われるが、参加者間でこの点について議論したい。
 ○●○第15回カリキュラム研究会・第10回評価システム研究会合同○●○
日時:3月18日(月)13時~14時30分 場所:総合教育1号館2階大会議室
テーマ:「共通教育特設プログラム・「環境・ESDリテラシー」授業報告」
報告者:寳學淳郎(保健管理センター)、西山宣昭(大学教育開発・支援センター)
趣旨:共通教育特設プログラムの平成23年度開設時から開講されている授業科目群「環境・ESDリテラシー」の中から、今回は2科目について今年度の授業報告を行う。現在、環境・ESD関連の新規の副専攻および大学院科目のパッケージ化について全学で検討が進められており、これらの教育プログラムの基盤として「環境・ESDリテラシー」は位置づけられる。環境・ESDについての実践的能動的な学習を意図した2科目を取り上げ、授業内容の報告に基づき、その成績評価方法について参加者間で議論したい。