【No.428】
国際ビジネスコミュニケーション協会主催 TOEIC研究会 「企業のグローバル展開における英語発信力強化の取り組み」参加報告

 

○●○ 国際ビジネスコミュニケーション協会主催 TOEIC研究会
「企業のグローバル展開における英語発信力強化の取り組み」参加報告  ○●○
 
 去る11月9日に、国際ビジネスコミュニケーション協会主催 TOEIC研究会「企業のグローバル展開における英語発信力強化の取り組み」に参加してきたので、その報告を行う。
 はじめに韓国のTOEIC実施期間であるYBP, IncのDr. Sunshik Min氏より、「韓国企業における英語発信力向上に向けた取り組み~TOEICスピーキングテスト/ライティングテスト活用状況~」というタイトルで基調講演があった。韓国のTOEIC導入は1981年であり、日本よりも数年遅れて実施され、90年に入るまで受験者数の伸びがそこまで大きいものではなかったが、94年から政府によるグローバル化の推進、企業の英語能力判定を外部試験化(TOEICの利用)により、格段に受験者数が増加した。スピーキングテスト・ライティングテストの受験者数は年間のべ27万人に達する予測が立てられている。天然資源もなく、外需に頼る国の状況に加え、アジアの金融危機、外資系企業の受け入れなどの政策により、英語能力の証明が企業就職・昇進において不可欠となったということであった。企業の英語に対する対応の変化が学校に変化を促すことになった。まず、大学の入学時にTOEICを参考にしている/使っている大学は90校、卒業にも課している大学88校もある。TOEICのスコアにより単位認定している授業を設けている大学も42校あるとのことであった。奨学生選抜の際にもTOEICのスコアが参考にされているとのことである。そして、今はリスニング・リーディングだけではなく、ライティング・スピーキングテストの導入を行っており、1日に3万人受験できるネットワークを持っているとのことであった。TOEICスコアについて日韓比較も報告された。2007年では韓国は609点、日本は579点であったが、2011年はその差はさらに開き、韓国633点、日本574点であった。受験者数がそもそも違うこともあるが、小学校における英語導入の効果があるのではないかとのことであった。留学生も韓国は21万人海外に送り出しているが、日本は2008年という若干古いデータであるが、6万6000人程度であった。この韓国の英語熱は収入にも影響しており、英語ができる家庭とそうではない家庭で差が大きいとのことであった。これは社会問題になっており、「英語デバイド」と呼ばれる社会格差問題が表面化してきているとのことであった。
 続いて、日本企業からの報告があった。最初に全日本空輸株式会社(ANA社)より、グローバル人財育成について報告された。ANA社では今後のアジア展開に向けてグローバル人財育成を行っている過程にあるということであった。ANA Global Talent Programで、全社員の語学力を設定し、越える取り組みをしている。また海外ボランティア活動など、グローバル人財育成に強く関わる個人の取り組みに対して、資金支援を行う等も実施している。社員のTOEICスコア分布については、2009年、2010年は500点台が一番多いが、2011年は600点台にシフトしてきているとのことであった。
 最後に株式会社東芝より同社のグローバル人財育成の取り組みについて報告があった。同社では英語のみならず、販売を行っている国の言語習得の促進を行っている。またリベラルアーツの育成を行っているとのことであった。宗教、哲学、日本の文化、倫理観等の育成を年間500人に対して、行っている。また新興国を中心に、外国籍の社員の雇用を促進している。年間70人から80人雇用しており、インド3大学、タイ4大学、ベトナム3大学、フィリピン3大学などアジア圏を中心とした人材雇用をしている。外国籍の社員は終身雇用という文化を持っていないことがあるため、「どうすれば、東芝に残ってもらえるのか」ということを意識し、文化、スポーツ、エンジニアマインドを向上させるといったリテンションを高めるような取り組みを行っている。グローバル合同研修も行っており、海外の名門大学で研修を受けている。内容はイノベーション活動、マーケティングを学ぶものとなっている。派遣メンバーにも3、4割は外国籍の社員であり、異文化理解も促進できるように工夫をしているとのことであった。TOEICについては、730点を越える目標があり、英語力強化合宿を行い、3カ月ごとに成果確認をおこなっている。若手から中堅社員を選抜し、年間500人を育成している。
 昨今、グローバル人材育成の必要性が表面化し、大学も行っているが、大学だからこそできることを積極的に行っていく必要があるように考える。言語をツールとして見て、海外と交流のある大学と共同のプロジェクト学習を行うといった、実践的なグローバル人材育成につながる授業の設置と推進が求められる。
(文責 教育支援システム研究部門 山田政寛)
 
 
○●○ 第10回大学教育セミナー 「『学びの場』に向けた大学図書館の再構成を考える―学習支援促進のための三大学連携事業の中間報告」を開催します ○●○
 
 近年, 大学図書館は大きく変化してきています.研究資料, 文献の保存と提供, ならびに文献検索などの情報検索技術を中心とした情報リテラシーの育成という従来の役割から, 学習支援の場として, 学生の学習に対して積極的に関与するという変化です. 学習支援の場として大学図書館は近年, ラーニング・コモンズという学習支援環境を構築し, 注目され始めています. しかし, どのような内容で, どのように学習支援すべきなのか, 現状では議論が進行中です. これらの問いにこたえるためには, 学習という概念を見直し, 検討する必要があります. 本セミナーでは同志社大学 学習支援・教育開発センター事務長 井上真琴氏をお招きし、図書館職員に求められる学習支援に関する能力、井上氏の実践について、教育に貢献する大学図書館像についてご講演頂きます。また6月に締結した金沢大学、名古屋大学、静岡大学の3大学図書館の学習支援に関する連携事業の中間報告を行うとともに, 大学図書館が目指す学習支援について積極的な議論を行います。
 
開催日時:2012年12月8日(土曜日) 13時00分~17時30分
会場:金沢大学サテライトプラザ3階集会室
主催:金沢大学 大学教育開発・支援センター
共催:金沢大学附属図書館
後援:名古屋大学附属図書館、静岡大学附属図書館、大学コンソーシアム石川(予定)
ご参加希望の方はこちらのフォーム、または本センターWebページに設置されているフォームよりお申込みください。
https://docs.google.com/a/mark-lab.net/spreadsheet/viewform?formkey=dG1ZLTQtZzFiWWRSczRMYXd3ZDlKb1E6MQ#gid=0
 
お問い合わせ先
金沢大学 大学教育開発・支援センター 准教授 
山田政寛 mark [atmark] mark-lab.net