【No.396】
教育プログラムレビューについて

○●○第5回評価システム研究会・第11回カリキュラム研究会合同開催○●○
日時:3月28日(水)13時~15時 場所:角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室
テーマ:授業改善のためのシラバス作成、成績評価の考え方 
報告者:渡辺達雄(大学教育開発・支援センター)
趣旨:授業改善 を実質化するためのツールとしてシラバス、 授業評価アンケートの他に、近年はポートフォリオやルーブリック等が知られ既に活用している大学もあるが、今後カリキュラムマップにもとづき改善を進めていく土台として、改めてシラバスとは何か、到達目標を中心に(シラバスに)どこまで書くべきか、それと表裏一体である成績評価の目的や方法、またそれらを結びつける授業評価アンケートのあり方について、国内の事例も紹介しながら確認し、理解を深めていきたい。

○●○第6回評価システ ム研究会・第12回カリキュラム研究会合同開催○●○
日時:3月28日(水)15時半~17時半 場所:角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室
テーマ:成績評価ツールとしてのルーブリック
報告者:堀井祐介(大学教育開発・支援センター)
趣旨:ディプロ マポリシー(DP)、カリキュラムポリシー(CP)を 効力のあるものとするためには、成績評価が非常に重要となる。近年、米国において、教員の成績評価活動を支えるツールとしてルーブリックが注目されている。ルーブリックを用いることで、教員の側からは、今まで以上に成績評価の可視化を進め、公平性・平等性を担保することにつながり、学生の立場からは、学習に対する目的意識、学習意欲を高めることにつながる。ルーブリックは、また、アウトカムズ測定にも有用とされている。本研究会では、米国大学に対する調査研究に基づき、「ルーブリックとは」、「ルーブリック作成手順」、「ルーブリック事例」について報告を行い、参加者のルーブリックに対する理解を深め、ルーブリック導入の可能性について議論したい。

○●○教育プログラムレビューについて○●○
2月27日(月)大学院教育イニシアティブセンターグローバルセミナー「大学院教育の質保証と博士修了基準とは」(東京サテライト)(主催:北陸先端科学技術大学院大学 大学院教育イニシアティブセンター、後援:大学基準協会)および2月28日(火)大学評価シンポジウム「アウトカム・アセスメントの構築に向けて―内部質保証システム確立の道筋―」(主催:大学基準協会)に参加した。どちらにおいても、米国西部地区基準協会(WASC)の大学評価委員会(Accrediting Commission for Senior Colleges and Universities)代表であるラルフ・A・ウォルフ(Ralph A. Wolff)氏の話を聞くことが出来た。ウォルフ氏は米国高等教育アクレディテーション界の重鎮であり、その考え方は全米のアクレディテーションに大きな影響があるとされている。
 大学院教育と大学全体の違いはあるが、両日ともにウォルフ氏が強調された点の一つに教育の有効性(Educational Effectiveness)があった。WASCのアクレディテーション活動においては、教育の有効性判断の材料として、以下の5つが指摘された。大学評価シンポジウムでの配付資料については、大学基準協会Webページからダウンロード可能(http://www.juaa.or.jp/publication/data/index.html)
 教育プログラムにおける学習成果(Learning Outcomes)の特定
 カリキュラム上で学習成果を位置付ける
 学習成果評価手法の確立
 ルーブリック、キャップストーン、全国レベルテストを活用しての教育能力向上
 定期的な教育プログラムレビュー
 ここ数年の米国訪問調査において、高等教育機関においては、この教育プログラムレビューの話を聞くことが多かった。当然、連邦政府その他からの外圧もあるが、大学および教員の基本的な姿勢として、自主的な教育の質向上活動として、教育プログラムレビューが位置付けられていることを実感した。その上で今回、ウォルフ氏の講演においても、有効性判断材料として「定期的な教育プログラムレビュー」があげられており、米国における教育の質保証において教育プログラムレビューが重要なものであることを再認識させられた。
 WASCは、大学および教員団の活動評価用のルーブリックを用意しており、教育プログラムレビューに対しても、「学生の学習に対する評価をどのように教育プログラムレビューに統合しているかを評価するルーブリック」として用意されている。一番右列が基準となる項目であり、項目毎に、左から右へと活動が実質化していく形式で記述されている。基準項目毎にそれほど具体的な方法が示されているわけではないが、それぞれにおいて、学生の学習成果、いわゆるアウトカムズを測定し、判断し、フィードバックにつなげる形となっている。単純に、このような形式での教育プログラムレビューが優れているとは言い切れないが、一番右列を目標として改善・改革を進めていくという形は、教育の質保証活動の実質化を進めて行く上では比較的わかりやすいと思われる。
 金沢大学においても、CP・DP策定WGや学類毎の教務委員会等を中心に教育の質保証活動が進められているが、今後、いわゆるPDCAサイクルとして実質的な質保証活動を行う際に、このルーブリックは参考になるのではないだろうか。その際、重要なのは、「自分の授業」だけの質保証ではなく、学類として提供している教育プログラムの質保証という意識を持つことである。(文責 評価システム研究部門 堀井祐介)

教育プログラム.jpgのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(WASC Webページより http://www.wascsenior.org/findit/files/forms/Program_Review_Rubric_4_08.pdf 堀井試訳)