【No.385】
新年を迎えて-センター活動方針を再整理する

表示○●○新年を迎えて-センター活動方針を再整理する○●○
 第2期中期計画の実施に沿って、当センターでは昨年度より重点事項を設定し、活動を行ってきたが、カリキュラム検討委員会の下のCP・DP策定WGの主導による全学類のカリキュラム・マップ策定がまもなく完了するのを受けて、現在および今後の当センターの活動を下図の通り、カリキュラム・マップを中核とする教育の質保証スキームに位置づけてみたい。本年は、カリキュラム・マップに基づく組織的な教育改善(FD)と質保証のスキームを確立する重要な年となるであろう。共通教育についてのカリキュラム・マップ策定は、センターニュースNo.380(センターHPに掲載中)でも述べたが、本学においては今後の重要な検討課題であるが、下図のスキームに当てはめることが可能である。

  centernews_385.jpg  カリキュラム・マップには、各学類において卒業時に身についている技能・能力とそれらの養成に寄与する授業科目が集約される。それらの技能・能力の養成に実際の授業内容・方法が有効であったかどうかを判断して授業改善が行われるが、その判断は技能・能力の達成度をできるだけ正しく評価できる成績評価基準に基づく必要がある。カリキュラム・マップに記載される養成されるべき技能・能力と授業内容・方法、成績評価基準との整合性を検証し、より適切な授業内容・方法および成績評価基準についての検討を専門分野ごとの教員集団で行うことがFDとなる。当センターでは、共通教育科目の授業実践を通して、PBL(Problem Based Learning)や協同学習など教育方法としてのアクティブ・ラーニングの研究を重点課題として進めている。これらの教育方法による学習成果として期待される批判的思考力、問題発見力、問題解決力などが、授業内容の文脈に照らしてどのような課題を解決できたときどの程度身についたと判断できるか、その判断基準(ルーブリック指標)の具体化を今後のセンターの重点課題として設定している。共通教育をフィールドとする教育方法およびルーブリック指標に関する研究成果は、各学類の専門教育に関するFDでの参考情報として活用されることを期待している。養成されるべき技能・能力と授業内容・方法、成績評価基準との整合性を検証するための客観的情報としては、その整合性を受講生に評価させる授業評価アンケートが有効と考えられる。このような授業評価アンケートの是非について全学に問いたいと考えている。各学類の卒業時の学習成果の達成度を評価し教育改善につなげるためには、4年間を通した学生の学習状況や学習成果の達成に対する自己評価の状況、卒論研究の状況などのプロセス情報を収集しておくことも重要である。これらの情報は、ポートフォリオとして蓄積することが考えられる。どのようなプロセス情報を収集し教育改善につなげるかというポートフォリオの設計についてもセンターの重点課題として取り組む予定である。                                                         

(文責 大学教育研究開発部門 西山宣昭)

○●○九州工業大学のラボ・ローテーション制度について○●○
 平成23年1月に出された中教審答申「グローバル化社会の大学院教育~世界の多様な分野で大学院修了者が活躍するために」に沿って、文部科学省は今年度から「博士課程教育リーディングプログラム」により、グローバルに活躍できるリーダーの養成を目的とした博士前期・後期一貫の学位プログラムの構築を支援しようしている。このプログラムのモデルとして示されているのが博士前期における専門分野の枠を超えたコースワークの充実とラボ・ローテーションである。本学においてリーディング大学院について検討が進められていることもあり、当センターでも独自にラボ・ローテーションに関する情報収集に着手している。
12月22日、九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻のラボ・ローテーション制度である「出稽古修行型分野横断研鑚システム」について聞き取り調査を行った。同システムの運営責任者の花沢俊明准教授から運用の詳細と履修実績等について、また我妻広明准教授からは担当パッケージの詳細についてお話を伺ったのち、研究室に所属する大学院生から研究テーマと同システムによる学習内容との関係について説明してもらった。同専攻は、脳神経系についての実験知見から着想される超並列デバイス、情報処理システム、ロボティクスの開発研究を行っており、19の研究室がそれぞれ独自の神経生理、心理行動、計算理論、デバイス、ロボティクスに関する本制度のための教育プログラムを用意している。1.5か月(1単位)または3か月(2単位)のコースがあり、博士前期2年次から博士後期2年次までの期間で4単位までの履修を認めている。学生は所属する研究室での研究を進める過程で関連する研究領域の知見やノウハウの習得の必要性に自ら気づき、指導教員の助言に基づき他研究室の教育プログラムに申請する。独創に必要不可欠な学際的視点を高い動機付けのもとに養成しようとする本システムの趣旨に加え、従来の研究室に閉じた博士課程教育では難しい他部門とのコミュニケーションや人間関係の構築など将来のチーム活動で求められる能力の養成、さらに副次的な効果として研究室間の共同研究の促進も期待されると思われる。詳細については、参考資料としていただいた2011年度の受講案内を以下の通り、アカンサスFDに掲載しているので閲覧いただきたい。                    (文責 大学教育研究開発部門 西山宣昭)

○●○アカンサスFDについて○●○
アカンサスポータルにログイン後、<時間割>-<その他情報>-<FD/SD>-<アカンサスFD>でアクセスできます。今回は、上の記事で紹介しました九州工業大学大学院生命体工学研究科脳情報専攻大学院生命体工学研究科脳情報専攻の「出稽古修行型分野横断研鑚システム」2011年度受講案内を紹介します。解説の<調査資料>の欄の「>>他大学訪問調査資料」の中の第1節に掲載しています