【No.378】
サービスラーニングの課題

○●○ サービスラーニングの課題 ○●○
去る11月14日に第7回カリキュラム研究会「共通教育における環境教育の推進-里山をフィールドとする体験型授業を1年次全学生に実施できるか-」を開催し、共通教育特設プログラム「環境・ESDリテラシー」の、受講者数拡大のために実施すべきこと、検討すべきことについて議論が活発に行われた。このように、座学、社会参加、内省等を通じて、社会貢献を意識しながら、継続的なカリキュラムで行う学習形態をサービスラーニングという。サービスラーニングは習得した知識の、実社会への活用と行動を促進させ、現在の人材育成ニーズに合わせて、多くの教育機関で導入されてきている。高等教育機関においては、教育GPを獲得し、実施しているところも存在する。日本福祉大学ではGPの期間にサービスラーニングセンターを設立し、GP中に行った、社会福祉をテーマにしたサービスラーニングを展開し、その成果をWebページに紹介している。
 サービスラーニングの実施において重要となるのは、カリキュラムの連続性、内省、運用であろう。カリキュラムの連続性については、各関係授業が横断的になっており、授業内容が分断されず、活用できるような連続体である必要があろう。また経験学習の場で、知識が活かせるデザインも必要であり、コーディネーター・ファシリテーターの活用は必須である。またそこで学んだことが教室内で行われる授業でも展開され、それが循環していく仕組みの構築が必要である。内省はその循環の中に組み込まれるフェーズであり、モチベーションや知識・活動の循環をさせていく大きな機会となる。木村・中原(2011)はサービスラーニングにおける内省の効果について分析している。木村・中原(2011)は「社会貢献意識」と「社会的有効性意識」には「活動中の社会的意義や成長に関する内省」が、「意欲」には「活動中における具体的な経験や他者からの評価」と「活動中の社会的意義や成長に関する内省」が有効であることなどを示しており、「活動中の社会的意義や成長に関する内省」は全体的な能力向上に寄与している可能性があることを示している。内省にも様々な観点があり、効果的なサービスラーニング導入のために要検討項目を提供してくれる有用な参考知見である。
 運用面としては、サービスラーニングは学校関係者だけではなく、実社会で活動されている方々との連携が必要となってくる。しかし、年によって受講者数が大幅に変動すること、受講者数がいないという状況となると、外部組織との関係を継続することは困難となる。また前でも触れたコーディネーター・ファシリテーターの育成はサービスラーニングの継続的、効果的運用では重要な項目となる。科目専門家である教員がその両方を兼ねることが多いが、教員の負担があまりに大きい状況となる。これらの問題をどのように克服していくか、サービスラーニングを実施している多くの教育機関で検討をしている。本学においてもサービスラーニングの実施において、上記の課題について比較議論を続けていく必要があろう。

参考文献
木村充・中原淳(2011) サービス・ラーニングにおける活動やリフレクションが学習成果の獲得に及ぼす効果に関する研究、日本教育工学会第27回全国大会講演論文集, 543-544
日本福祉大学サービスラーニングセンター http://www.n-fukushi.ac.jp/gakubu/slc/

(文責:教育支援システム研究部門 山田政寛)

 

○●○ 大学共創プロジェクト合同セミナー
「大学の未来を共に創り上げるために!」開催のご案内 ○●○
日時 平成23年12月3日(土)(受付は13:30~)
場 所 金沢大学サテライトプラザ3階集会室(金沢市西町三番丁16番地 西町教育研修館内)
プログラム
14:10~15:10  第一部 基調講演
「大学と地域の関わり-グローバル化が進む中で」
独立行政法人国立高等専門学校機構理事長 林 勇二郎(前・金沢大学長) 
15:10~16:10  第二部 大学共創プロジェクトメンバーからの話題提供
「教職協働によるカリキュラム・マップに基づく質保証スキームの構築・実施」 
                金沢大学 大学教育開発・支援センター長  西山 宣昭 
「大学をとりまく情報の認識統一の不徹底について」
富山大学学務部学務グループ学務企画チーム主査    新井 浩
「学生支援の充実に向けて」
福井大学学務部教務課教務企画係長    廣田 龍彰
「学修指導を通した『共創』を探る」 
北陸先端科学技術大学院大学大学院教育イニシアティブセンター長  浅野 哲夫
16:20~17:20  第三部 パネル・ディスカッション
「大学共創プロジェクトが目指すもの」 第一部基調講演講師及び第二部話題提供者による
※参加申込は、件名「合同セミナー申込」として、「①所属名、②氏名、③連絡先e-mail」を記入の
上、initiative@jaist.ac.jp(担当:片岡)に送信下さい。http://www.jaist.ac.jp/cgei/report/2011_joint_seminar.htmlからも受付け可能。

 

○●○ アカンサスポータルの教育利用ワークショップを随時開催しています ○●○

本センターが協力しています、FD・ICT教育推進室ではアカンサスポータルの教育利用ワークショップを随時開催しております。今月は初級編と中級編を開催致しました。初級編はアカンサスポータルを授業に利用したことがない教員、コンピューターの操作に自信がない教員を対象に、ICT教育の意味、資料をアップロードする方法、予習・復習で使う方法、出欠管理を手軽にする方法、休講・補講通知の方法などを学びます。中級編ではアカンサスポータルの教育利用をある程度行っている教員を対象に、レポートの相互評価、テストの作成と管理、アンケートの実施、図書館システムとの連携、教材共有システムの紹介などを内容にしております。実習形式で学ぶ形になっておりますので、講義形式とは違い、体験しながら学ぶことができます。12月は角間で中級編を、鶴間で初級編を行いますので、予定が決まりましたら、広報いたします。是非ご参加ください。