【No.375】
今年度の今後のセンター活動とFD支援

○●○第6回カリキュラム研究会のご案内○●○
【日時】10月31日(月)13時~14時30分
【場所】角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室  テーマ:「就業力と教養教育」
【報告者】山本 均(就職支援室長)、西山宣昭(大学教育開発・支援センター)
【趣旨】金沢大学は、平成22年度文部科学省「大学生の就業力育成支援事業」に採択され、学生部就職支援室を中心に、独自に定める12の就業基礎力を養成する4年一貫のキャリア自立支援教育プログラムについて現在検討を進めている。本研究会では、このようなキャリア教育の学習成果としての就業力と、教養教育の学習成果としての批判的思考力や問題発見・解決力など汎用的思考力(generic skills)とはどのような位置関係にあるのか、同一なのかなど、キャリア教育と教養教育の関係について議論したい。まもなく、共通教育特設プログラムの新たな柱として「キャリア教育」が検討される予定であり、共通教育におけるキャリア教育とは何かについて考えることが必要不可欠と考えられる。

○●○今年度の今後のセンター活動とFD支援○●○
大学教育開発・支援センターは、「金沢大学におけるFD活動指針」第8項に基づき、全学のFD活動に対する必要な支援を行うこととなっている。本学が定める「金沢大学におけるFD活動指針」は、教育の質の向上に向けた取組の改善を計画・実践・評価・改善のサイクルに沿って行う必要性を述べているが、これを受けて第2期中期計画【13-2】・23年度計画「教員の教育能力の向上を支援するシステムとしての「金沢大学におけるFD活動指針」に基づくPDCAサイクルに沿った取組を実施する。」と定められている。当センターは昨年度から、第2期中期目標・中期計画に沿って年度ごとの重点活動事項を策定し、活動を行っている。中期計画【13-2】については、「金沢大学におけるFD活動指針」に基づくPDCAサイクルを以下の通り定義し、各部局のFD活動の支援やFD研修会等での情報提供ができるよう準備を進めている。各部局のFD研修会等での情報提供についてご要望をいただきたい。
当センターは、中期計画【13-2】・23年度計画に明記されている「金沢大学におけるFD活動指針」に基づくPDCAサイクルを、カリキュラム・マップにおける授業科目と各学類の卒業時に獲得されるべき学習成果との対応関係(学習成果と整合する授業科目の学習目標の設定、授業科目の学習目標と整合する成績評価方法の設定)の立案(PLAN)、授業実施(DO)、(PLAN)における上記の対応関係の検証(授業科目の学習目標の達成度評価方法として実際に用いられた成績評価方法は妥当であったか、授業科目の教育内容・教育方法はカリキュラム・マップで対応付けられている学類の学習成果の達成に有効であったか、以上2点について、受講生を対象とする授業評価アンケート、教員を対象とする自己点検評価アンケートにより検証)(CHECK)、上記の2つの整合性を保証するための授業科目の教育内容・方法・成績評価方法の見直し(場合によってはカリキュラム・マップの改訂)(ACTION)、以上4つのプロセスの循環と定義している。
このPDCAサイクルにおいて、学習成果と学習目標の達成度評価(学習目標については授業科目における成績評価)についての検討が今後の各部局FDにおける最大の課題となる。当センターは、卒業時における学力を、共通教育科目、専門科目での学習により身につく学力と4年次の卒業研究あるいは研究室でのゼミナールによって身につく学力とに分類し、共通教育の学習成果として想定される汎用的学士力(generic skills)、および卒業研究やゼミナール、プロジェクト学習などの学習成果の達成度評価に焦点を絞り、国内外の事例調査に着手している。各学類で策定が進められているカリキュラム・マップは、授業科目と学類ごとの卒業時に達成されるべき学習成果(学力)との対応表であるが、現時点では授業科目としては各学類の専門科目が考慮されており、共通教育科目のカリキュラム・マップにおける取扱および共通教育の学習成果についての議論は完了していない。同様に、4年次の卒業研究あるいは研究室でのゼミナールの学習成果とその達成度評価方法についての全学的な議論も今後の課題として残されている。当センターは、共通教育、および卒業研究、ゼミナール、プロジェクト学習の学習成果のカリキュラム・マップにおける取り扱いおよびそれらの学習成果の達成度評価方法について独自に情報収集を進めて、今後の共通教育、各学類における学習成果の達成度評価の検討に有効な情報提供が行えるよう準備を進める。今年度は、卒業研究の学習成果の達成度評価方法に関する国内の事例について文献調査、訪問調査を行うとともに、アメリカの大学での最終年次における(卒論研究を含む)プロジェクト型教育プログラムであるcapstoneについて資料調査に着手している。カリフォルニアの大学を中心に訪問調査を実施し、capstoneが学習成果の達成度評価指標の一つとして活用されている状況、教養教育の学習成果の達成度評価の状況の情報収集を行った。
上記のPDCAサイクルにおいて提案した全教員を対象とする自己点検評価アンケートと学生による授業評価アンケートについてもセンター内で検討を行った。前者については、カリキュラム・マップの策定が今年度中に完了する予定であることを念頭において、各教員が所属部局のカリキュラムによって達成されるべき学習成果、および担当授業科目において設定されるべき学習目標をどのように考え、当該カリキュラムおよび担当授業科目が実際にそのような学習成果、学習目標を達成しているかを各教員がいかに自己評価しているかを把握するアンケートを設計し、まもなくアカンサスポータルを通して実施する予定である。後者については、カリキュラム・マップの継続的な検証データを与える授業評価アンケート案について今後全学に向けて提案したいと考えている。
PDCAサイクルのActionに含まれる教育方法の改善については、第2期中期計画【8-1】「授業の目的に応じて授業形態を多様化し、少人数教育やTAの活用を推進する」の実施方針として、「学類のディプロマ・ポリシー(DP)とDPのもとに列挙されている「学類の学習成果」に照らして、とくに授業形態の尺度となる演習・実習・実験・実技等の科目をさらに充実させる」が教育改革部会からFD委員会、教育企画会議に提案されている。専門分野によらない批判的思考力、問題発見・解決力などの汎用的学士力(generic skills)の養成を学習成果として設定するとき、その達成のためには知識伝達型の講義とともに演習・実習・実験・実技など学生の能動的学習を促す授業形態を用いることが必要であるし、講義型授業においてもレポート課題や一部討論を導入することについて検討する必要がある。このような授業形態に付随する教育方法としてPBL(Problem Based Learning)や協調学習などのアクティブ・ラーニングが近年注目されている。当センターは、教育方法としてのアクティブ・ラーニングの実践的研究を昨年度からセンター重点活動事項として進めている。中期計画【8-1】に関連する各部局FDの支援について当センターへの要望を是非いただきたい。
                         (文責:西山宣昭 大学教育研究開発部門)