【No.373】
名古屋大学ラーニングコモンズの訪問調査を踏まえ

○●○ 名古屋大学ラーニングコモンズの訪問調査を踏まえ ○●○

近年, 大学図書館は大きく変化してきている.研究資料, 文献の保存と提供, ならびに文献検索などの情報検索技術を中心とした情報リテラシーの育成という従来の役割から, 学習支援の場として, 学生の学習に対して積極的に関与するという変化がある. 学習支援の場として大学図書館は近年, ラーニングコモンズという学習支援環境を構築し, 注目され始めている。
国立大学の中でも名古屋大学附属図書館は早くからラーニングコモンズを導入しており、学習支援が充実している。2階全体がラーニングコモンズのスペースとなっており、利用者はコミュニケーションを取りながら、学習をしてもよい。ガラスで仕切られたセミナールーム2室の他、コンピューターを利用しながら、資料も拡げることができる机が用意されている多目的ラーニングエリア、少人数で共同作業やプレゼンテーションの練習などができるグループラーニングエリア、ライティング・サポートエリアが配置されている。学生相談コーナーもあり、学生相談室が出張でピアサポートを行うブースが用意されている。ライティング・サポートエリアには、レポートや論文執筆方法に関する書籍が充実しており、3名の学生がサポートを行っている。名古屋大学ではグローバル30に採択されていることもあり、留学生へのサポートが充実している。ライティングサポートを行う学生3名のうち1人は外国人で、もう1人の日本人は英語を話すことができる。雇用形態はTAではなく、アルバイトということであった。3階、4階は従来の図書館施設ではあるが、個人の学習・研究個室が設置されている。学習者は学習スタイル、学習方略等非常に特徴が多様であるが、様々なスタイルを持つ学習者を受け入れる体制が整っている。また高等教育研究センターと連携し、アカデミック・ライティングセミナーを開催している。
名古屋大学ラーニングコモンズの調査を踏まえ、本学のラーニングコモンズでできること、今後の方向性としては、留学生支援、授業での利用があると思われる。留学生支援では、名古屋大学と本学では予算規模が大きく異なるため、毎日、学習支援スタッフを置くことは困難であるが、自主的活用を促進させることは可能であろう。自主的に留学生と日本人が外国語を学びあう利用などされているのを良く目にするが、日本人学生と相互に外国語を学びあう「シェアド・ラングレッジ」のようなイベントから、留学生向けのレポートライティング、プレゼンテーションセミナーを開催しても良いだろう。授業での利用については、ラーニングコモンズは授業用の空間ではないが、筆者は積極的に授業でも利用している。ここ1年ほど利用しているが、学生が積極的に議論し、学習に対する態度変容がポジティブになっているように実感している。議論、ゼミ、ポスター発表、プロジェクト学習等、コミュニケーションをベースにした授業をされる場合は3階オープンスタジオを積極的に教員にも積極的に利用、または利用の誘導をして頂ければと思う。  
本学のラーニングコモンズは学生に積極的に利用されている。グループワークや初学者ゼミなどでコンピューターを利用しながら、学習している学生も多い。学習の場として有効に機能し始めたように実感している。また本センターと図書館が協力し、ライティング、プレゼンテーション、就職活動支援を実施しており、徐々に参加者数も増加している。各センター、部局も積極的に学習支援関係のイベントなどに利用して頂き、様々な利用方法、実践知の蓄積をして頂ければ、今後のラーニングコモンズの発展的利用を考えるヒントになると思われる。

(文責:教育支援システム研究部門 山田政寛)

○●○ アカンサスFDをご活用ください ○●○

ポータル内のアカンサスFDのコーナーには、授業内容・方法改善に役立つ諸種の情報を掲載しています。 昨今、注目されているアクティブ・ラーニングについては、溝上慎一「アクティブ・ラーニング導入の実践的課題」『名古屋高等教育研究』7(2007)、谷口進一ほか「数理工基礎教育科目における教育工夫 -基礎化学におけるカスタマイズ教材を用いたアクティブ・ラーニング」など、掲載されています。ご活用ください。他にもカリキュラム関係、TA活用、協調学習など授業改善だけではなく、制度面に関するものなど幅広く情報を蓄積しております。
アカンサスポータルにログインして頂きまして、アカンサスポータルの時間割内にある、「その他情報」の「時間割」リンクをクリックしていただきまして、「アカンサスFD」をクリックしていただきますと、本センターが蓄積しましたFDに関する情報をご覧いただけます。

○●○ 大学コンソーシアム石川 第5 回FD・SD研修会開催のご案内 ○●○

主催:大学コンソーシアム石川 
共催:大学教育開発・支援センター
北陸先端科学技術大学院大学大学院教育イニシアティブセンター
テーマ:「学習成果を重視した学士課程教育の構築に向けて
~カリキュラムポリシー(CP)・ディプロマポリシー(DP)策定のためのフレームワークとは~」
日時:2011年10 月21 日(金)18:00~ 19:30
場所:石川県政記念しいのき迎賓館 3階 セミナールームB
講師:川嶋太津夫氏(神戸大学 大学教育推進機構教授)
趣旨:中央教育審議会による『学士課程教育の構築に向けて』(2008.12)が提示した3 つのポリシー(アドミッションポリシー(AP)、カリキュラムポリシー(CP)、ディプロマポリシー(DP))の整備に各大学が取り組んでいます。そもそも、3 つのポリシーを関連付けるフレームワークとはどのようなものでしょうか。今回、高等教育の質保証のあり方について造詣の深い神戸大学川嶋太津夫先生を講師にお迎えし、CP やDP の策定のためのフレームワークのほか、本年4 月施行の教育情報の公表の現状と課題についてご講演いただきます。
  後半の質疑応答では、第2 期の認証評価において重要視されるCP・DP の策定や学習成果測定について川嶋先生から各大学での取組課題や問題点についてアドバイスいただきます。
※参加お申込み:「第5 回FDSD 研修会申込」とタイトルに記載の上、本文に(1)機関名(2)所属(3)名前を記載して、oono@ucon-i.jp(担当:大野)までご送信願います。当日参加も受け付けております。