【No.583】
大学教育開発・支援センターから高等教育質保証部門へ

○●○大学教育開発・支援センターから高等教育質保証部門へ○●○

 大学教育開発・支援センターは平成15年4月1日に文部科学省令により設置され、大学教育研究開発部門、評価システム研究部門、教育支援システム研究部門からなる3部門5名体制のもと、大学の教育改善を念頭に置いた研究活動を行ってきましたが、この4月より国際基幹教育院高等教育質保証系・部門として生まれ変わることになりました。大学教育開発・支援センターとしての13年間に、「週刊センターニュース」583号発行(2003年度~2015年度)、「共同学習会」261回開催(2003年度~2009年度)、2010年度からはテーマを明確にした4つの研究会となり、それぞれ「カリキュラム研究会」19回、「評価システム研究会」17回、「FD研究会」20回、「学生・学習支援研究会」25回開催し、学内への高等教育関連情報提供を行いました。

大学教育開発・支援センターは、平成20年度の学域・学類制への移行に際しても、他大学のカリキュラムや教育プログラムの調査研究、国内外の教育評価システムの研究に基づき、関連委員会等を通して提言や情報提供を行ってきました。また、大学設置基準が求める、教育内容・教育方法改善についての組織的な研修・研究(FD:ファカルティ・ディベロップメント)を、本学の実態に即していかに行うべきかを検討するために、FDに関する教員アンケートや学生の学習意欲、学習状況に関する調査を継続的に行うとともに、大学教育セミナー、専門分野別教育開発セミナー、毎週開催の上記共同学習会により日常的FDを実践してきました。さらに、学生支援システムの研究の成果に基づき、本学の学生相談体制、奨学金制度、障がい学生支援体制の設計において中心的な役割を果たしてきました。平成25年度からは、学類・コース等の学習成果達成度確認のためのアンケートを在学生、授業担当教員向けに実施するとともに、卒業生向けアンケート、就職先企業向けアンケート等の企画・立案に関与し、教育におけるPDCAサイクル構築の一端を担ってきました。さらに大学コンソーシアム石川においても教職員研修専門部会長、教務学生専門部会長としてその企画・運営・実施に主体的に関わってきており、同コンソーシアムを母体として申請した平成24年度大学間連携共同教育推進事業「学都いしかわ・課題解決型グローカル人材育成システムの構築」においても中心的な役割を果たしています。

研究活動としては、センター設立以降、センター専任教員(5名)が研究代表者となる科学研究費補助金採択による研究9件、学内競争的経費としての北陸地区国立四大学連携研究4件、および企業との共同研究3件を獲得してきています。過年度には、文部科学省委託調査事業「事業テーマ:今後の「大学像」の在り方に関する調査研究:教員の所属組織」(研究期間2005年度~2007年度)や日弁連法務研究財団委託研究「研究テーマ 法科大学院認証評価システムに関する調査研究及び日弁連法務研究財団への提案」(研究期間2005年度~2007年度)などの研究主体ともなり、これらの研究成果は、当センター企画の出版物として『国立大学法人化の衝撃と私大の挑戦』(監修:清成忠男(法政大学総長、編集:早田幸政)(エイデル研究所刊)や、TESKライブラリー1『新時代の大学像と専門人材育成』(青野透編)~TESKライブラリー6『カリキュラムマップ実質化の方策』(堀井祐介編)などとして公刊しています。また、毎年FD活動報告書において、全学およびセンターのFD活動を点検しているほか、設立された2003(平成15)年度から2008(平成20)年度の活動について、2009(平成21)年度に自己点検を実施し報告書を作成しています。本来ならば2回目の自己点検を行う時期に、当時の副学長・理事から教養教育担当のセンターへの衣替え、質保証センターへの衣替えなど各種提案がなされたことにより、その制度設計等に翻弄され自己点検が行えなかったことは評価システム研究部門を持つセンターとしては悔やまれます。残念ながらこの2つの改組提案は日の目を見ることはありませんでした。

 繰り返しになりますが、大学教育開発・支援センターは、平成28年度4月からは国際基幹教育院高等教育質保証系・部門として生まれ変わります。金沢大学国際基幹教育院規程において、教員の所属組織としては第6条1項(3)で高等教育質保証系として、活動場所としては同4項(5)で高等教育質保証部門として位置づけられています。業務としては第3条1項(9)において「教育方法、教育システム及び教育に係る質保証システムの研究開発」と定義されています。また、高等教育質保証部門が第14条に記されている「スキルアップセンター」の主たる担当部門ともなります。この「スキルアップセンター」の業務は第3条1項(10)において「教育スキルの向上に係る支援及びティーチング・アシスタント制度、高度ティーチング・アシスタント制度、アクティブ・ラーニング・アドバイザー制度、ラーニング・アドバイザー制度、に係る企画、運用及び実施」となっています。これら高等教育質保証部門および「スキルアップセンター」の業務は、スーパーグローバル大学創成支援事業(SGU)、大学教育再生加速プログラム(AP)事業とも深く関わる内容です。両事業においてはIR(Institutional Research)が大きな役割を果たすこととなっており、4月に設置される大学情報戦略室における教学IRにも高等教育質保証系・部門は大きく関わることとなっています。

4月から高等教育質保証系・部門は、教育質保証をキーワードとして、IRを活用し、学生が力をつけ、そのことを教員が確認し、課題を見つけ改善につなげられる仕組み、すなわち学習成果アセスメントサイクルの構築を目指してさらに努力していきますので、関係各位にはご協力のほど、よろしくお願いいたします。なお、今回の583号を持って「週刊センターニュース」は最後となります。ご愛読いただきありがとうございました。

(文責 評価システム研究部門 堀井祐介)