【No.542】
AP事業特任助教(IR担当)より

 はじめまして。2015年4月1日より大学教育開発・支援センター所属でAP事業特任助教(IR担当)として着任致しました上畠洋佑(うえはたようすけ)と申します。今号から週刊センターニュースで定期的に、AP事業の進捗報告やIRに係る活動報告などを行って参ります。どうぞよろしくお願いいたします。(以下文章は常体で記載)

 

○●○AP事業特任助教(IR担当)より○●○

1.「IR」に関わるまでの経緯

 日本におけるIRer(IR担当者)を類型化[1]すると、「教員」「研究員」「職員」の3つに分類ができるものと考えられる。例えば、大学評価コンソーシアムや山形大学EMIR勉強会等に参加する各大学のIRerは、理系の博士号取得者又は文系でも心理学の博士号取得者の教員または研究員が多い。文部科学省は「学長が適切なリーダーシップを発揮した大学運営体制の構築、職種を問わない適材適所の人事、教職協同の実現、職員のスキル向上のためのモティベーション」を目的として高度専門職の導入を検討しており、そのひとつとしてIRerを挙げている[2]。この資料の6ページ目に、高度専門職の「キャリアパス・処遇(イメージ例)」が示されているが、私のキャリアパスはこの資料のパターン1に近い。そこで、以下に私のキャリアパスの概要を示していきたい。

国立大学法人化前の平成16年3月に卒業した広島大学では文学部に在籍し、英文学を専攻した。大学卒業後民間企業を経て、静岡県浜松市の聖隷クリストファー大学に入職し、企画部の職員として、大学等設置認可申請(大学院保健科学研究科、社会福祉学部こども教育福祉学科)、認定こども園及び中学校新設に携わった。その後、神奈川県横浜市の関東学院大学に転職し、法人事務局総務課で、日本私立学校振興・共済事業団の補助金申請に関わる業務・学校法人基礎調査、新設学部等設置に関わる学校法人の寄附行為変更認可申請等を担当した。また、総務課在籍中に社会人大学院生として、東京大学大学院教育学研究科の大学経営・政策コースを修了した。その後、新設の学長室IR推進室に配属され、退学・休学・就職に関わる分析と課題解決をテーマにIR実務を担ってきた。前述の文部科学省の資料にあるような、「事務職員とは異なる『専門職俸給表』を適用するなどして処遇」されることはなかったが、まるで政策提案の体現者のようなキャリアパスを歩んできたようにも感じられる。

 

2.AP事業のIRerとして

初回の本稿のみIRの中核であるデータやエビデンスから離れて、私自身のAP事業におけるIRerとしての目標について簡略に述べたい。以下の図は2014年2月21日に大正大学で開催された山形大学EM部主催「第5回EMIR勉強会」で事例発表したスライドの一部である[3]

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関東学院大学では、退学・休学・就職という課題があり、その解決手段としてIRを選択した。このIR業務を実際に担っていく中で気づいたことは、統計学の知識や分析のスキルはあくまでも基本的な必須スキルでしかなく、本当に必要な力とは、課題解決の施策実現のために関係部署間をつなぐ力や、学生と接する教学スタッフと課題を共に考え、共に解決をはかっていく力であった。これらの「職員」としての経験や力はそのままに、「学修過程・成果の可視化による学修評価の定量的評価」を実現するための新たなKPIの開発や分析方法の研究・開発について、「教員」として全力で取り組んで行きたいと考えている。日本で一番フットワークが軽く、笑顔で人と人をつなぐIRerを目標にし、AP事業の大きな達成と成功を実現していきたい。

(文責 AP事業特任助教(IR担当) 上畠洋佑)



[1]現時点では上畠の経験を通しての類型化と現状把握であるため、今後AP事業以外の

研究テーマとして日本のIR現状分析を行い、明らかにすることを検討している。

[2]中央教育審議会 大学分科会 大学教育部会(第31回)配布資料

「資料1-1 職員の資質向上等に関する論点」(http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/015/gijiroku/1353507.htm

 

[3]発表の概要は「私立大学職員によるInstitutional Research(IR)文献メモ」で

適切にまとめられている。(http://institutional-research.jp/infoonunivs00018.htm