【No.523】
学習成果(Learning Outcomes)とルーブリック(その2)

●○●学習成果(Learning Outcomes)とルーブリック(その2)●○●

センターニュースNo.519に続き、金沢大学グローバル人材スタンダードが示す学習成果をさらに要素に分割し、学士課程の年次進行(1,2,3,4)に伴う各要素の評価基準を示す長期ルーブリックの作成を試行してみたい。その目的は、本学の学習成果と国内外の大学の学習成果との対応関係を明示するツールとしての活用である。センターニュースNo.519では、5つの能力のうち、「1.自己の立ち位置を知る」のルーブリックの作成を試みたが、今回は、「2.自己を知り、自己を鍛える」と「3.考え・価値観を表現する」について同様に、以下の通り、本学の学習成果に対応すると考えられるアメリカの学士課程教育の学習成果の参照モデルVALUE ルーブリック[1](Valid Assessment of Learning in Undergraduate Education  Rubrics)の評価観点をそのまま流用した。金沢大学グローバル人材スタンダードをルーブリックに変換するためには、以下の評価観点にさらに独自の評価観点を追加する必要がある。これらの試行はあくまで筆者個人の考察による。

ルーブリックの各要素と学類の各学習成果との対応付けを通して、金沢大学グローバル人材スタンダードと学類カリキュラムマップの階層構造を作ることができるし、このルーブリックを本学の学士課程の学習成果の年次進行表と捉えるとともに、共通教育コア科目の学習成果のレベル評価表としても活用し、各コア科目をルーブリックの要素(学習成果レベル)に対応させれば、共通教育のカリキュラムマップとなりうる。本学の学習成果の国際的質保証の一つのツールとしての活用について、学内での今後の検討の材料になればと思う。(文責 大学教育研究開発部門 西山宣昭)

[1] 松下佳代「パフォーマンス評価による学習の質の評価―学習評価の構図の分析にもとづいて―」京都大学高等教育研究第18号,75(2012).

「2.自己を知り、自己を鍛える:自己を知り、その限界に挑戦し、知的冒険と心身の鍛錬を通して常に自己の人間力を磨き高めていく能力(関連キーワード:フィロソフィー、アイデンティティ、健康増進、心身の成長、克己)」に対するルーブリックのイメージ

評価観点

 

評価尺度

Capstone

  4

Milestone

  3

Milestone

  2

Benchmark

  1

【Problem solving】

Evaluate

Potential

Solutions

解の妥当性に関する評価は、深くかつ洗練されたもので(例えば、網羅的かつ洞察に富んだ説明を含んでいる)、問題の歴史的背景を考慮し、問題に対する解の導出つまり論証を評価し、解の実現可能性および影響の大きさについて検討している。

解の妥当性に関する評価は適切であり(例えば、網羅的な説明を含んでいる)、問題の歴史的背景を考慮し、問題に対する解の導出つまり論証を評価し、解の実現可能性および影響の大きさについて検討している。

解の妥当性に関する評価は簡素であるが(例えば、説明の深みに欠ける)、問題の歴史的背景を考慮し、問題に対する解の導出つまり論証を評価し、解の実現可能性および影響の大きさについて検討している。

解の妥当性に関する評価は表面的であるが(例えば、粗い表面的な説明を含んでいる)、問題の歴史的背景を考慮し、問題に対する解の導出つまり論証を評価し、解の実現可能性および影響の大きさについて検討している。

【Creative thinking】

Taking Risks

与えられた課題の最終的な解決に向けて、今までに試みられていない潜在的なリスクを含んだ方向性やアプローチを積極的に探しだしやり抜いている。

与えられた課題の最終的な解決に向けて、新しい方向性やアプローチを取り入れている。

与えられた課題の解決に向けて、新しい方向性やアプローチを検討しているが、ガイドラインの範囲を超えていない。

与えられた課題の解決に向けて、ガイドラインに厳密に従っている。

 

「3.考え・価値観を表現する:論理的構成力や言語表現力を駆使して概念やアイデアを明確に表現し、かつ自己の感性や価値観を的確に他者に伝える能力(関連キーワード:論理的構成力、物語力、言語表現力、感情表出力、創造的形象力)」に対するルーブリックのイメージ

評価観点

 

評価尺度

Capstone

  4

Milestone

  3

Milestone

  2

Benchmark

  1

【Written communication】Context of and purpose for writing

提示された課題の文脈、読み手、目的について完全な理解が認められ、また作品のすべての要素に注意が払われている。

提示された課題に明確に焦点を当て、文脈、読み手、目的を適切に考慮している。

提示された課題の文脈、読み手、目的に注意を払っている。(例えば、読み手の期待や前提に注意を払いつつある)

提示された課題の文脈、読み手、目的に最低限の注意を払っている。(例えば、読み手の期待の客観視など)

【Written communication】Content development

 

適切で関連があり魅力的な内容を用いることにより、書き手の理解を伝達し作品全体を構成しながら科目についての習熟を示している。

適切で関連があり魅力的な内容を用いることにより、学問の文脈の範囲内でアイデアを出し作品全体を組み立てている、

適切で関連のある内容を用いることにより、作品のほぼ全体に及ぶアイデアを発展させている。

適切で関連のある内容を用いることにより、作品の一部で単純なアイデアを発展させている。

【Written communication】その他2つの評価観点

(省略)

(省略)

(省略)

(省略)

【Oral communication】

Organization

 

構成(導入、結論、本体の組み立て、内容の切り替え)が明確かつ整合的で、うまくまとめられており、発表内容を一体感のあるものにしている。

構成(導入、結論、本体の組み立て、内容の切り替え)が明確かつ整合的であることが発表において認められる。

構成(導入、結論、本体の組み立て、内容の切り替え)が発表において所々で認められる。

構成(導入、結論、本体の組み立て、内容の切り替え)が発表において不明瞭である。

【Oral communication】

その他4つの評価観点

(省略)

(省略)

(省略)

(省略)