【No.486】
科目ナンバリングについて(その2)

○●○科目ナンバリングについて(その2)○●○

  現在、大学に対して社会から非常に多岐にわたる要求が突きつけられており、それに対応するため現場レベルでは日々改善・改革が検討されている。改革のキーワードはグローバル化と可視化である。教育再生実行会議第三次提言「これからの大学教育等の在り方について」(平成25年5月28日)では、「1.グローバル化に対応した教育環境づくりを進める。①徹底した国際化を断行し、世界に伍して競う大学の教育環境をつくる。」においてジョイント・ディグリー(複数の大学の共同による学修プログラム修了者に対して授与される共同で単一の学位)への言及があり、続く第四次提言「高等学校教育と大学教育との接続・大学入学者選抜の在り方について」(平成25年10月31日)では、「2.大学の多様な機能を踏まえ、大学教育の質的転換、厳格な卒業認定及び教育内容・方法の可視化を徹底し、人材育成機能を強化する。」において「個々の教育課程やその体系を徹底して公開し、教育内容や教育方法、成績評価基準等を可視化する。」と記されている。ここで述べられている世界レベルでの大学教育環境整備の成果の一つであるジョイントディグリーや教育課程やその体系を徹底して公開するのに欠かせないツールが科目ナンバリング[1](以下、ナンバリング)である。いわゆる「質的転換答申」(「新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~」(中央教育審議会答申)(平成24年8月28日))においてもナンバリングが「6.学士課程教育の質的転換への方策」の一つとして言及され、また、「8.今後の具体的な改革方策①速やかに取り組むことが求められる事項(大学)」にもあげられている。同答申の用語集では、「ナンバリング、あるいはコース・ナンバリング。授業科目に適切な番号を付し分類することで、学修の段階や順序等を表し、教育課程の体系性を明示する仕組み。①大学内における授業科目の分類、②複数大学間での授業科目の共通分類という二つの意味を持つ。対象とするレベル(学年等)や学問の分類を示すことは、学生が適切な授業科目を選択する助けとなる。また、科目同士の整理・統合と連携により教員が個々の科目の充実に注力できるといった効果も期待できる。」との説明がつけられている。以下に、より具体的にナンバリングについて説明する。

ナンバリングとは

○ ナンバリングとは大学で科目につけられるナンバーのことである。

○ 科目番号は3桁または4桁である。

○ 番号の前に教育プログラム名や分野を特定する略号がつけられる。

● 化学分野を示すためにCHEMなど。

○ 3桁の場合、番号のうち、3桁目(100番台)の数値は科目の相対的な難易度を示す。

● 番号が高いほど難易度も高い。

● CS564CS364よりレベルが高い。(CSComputer Scienceを示す。)

○ 大学院科目には高い数字が割り当てられる。

○ 主専攻における基本概念を扱い、必修となるような科目(コア科目)は3桁目(100番台)の数字が低く、専門性が高い科目は3桁目(100番台)の数値が高く割り当てられる。

○ リメディアル科目、導入科目、単位とならない科目などには100番未満の数字が割り当てられる。

○ 100番台の科目は基礎的な科目であり、1年制向けとなる。

● 入門科目は通常101が割り当てられる。

○ 200番台の科目はより複雑で難易度が高い科目に、300番台はそれよりさらに高い科目に割り当てられる。

○ 相対的に3桁目(100番台)の数値の高い科目は、100番台の数値の低い科目を履修要件とする。

○ 連続して受講することになっている科目には近接した番号が割り当てられる。

● BIOL101(秋学期)、BIOL102(春学期)など。(BIOLBilologyを示す。))

○ 「同等科目」(扱っている主題は似ている、手法、レベルが異なる科目)に近接番号が割り当てられる場合もある。

● ECON105ECON107ECON109など。(ECONEconomicsを示す。)

● ECON105(秋学期)、ECON106(春学期)

● ECON107(秋学期)、ECON108(春学期)

○  また、数字に加えてCourse Suffixes(接尾辞)としてアルファベットがつけられる場合もある。

センターニュースNo.486図.jpg

例えばコーネル大学では、4桁のナンバリングを採用しており、それぞれ以下のような説明がつけられている。

Course Numbering Systems

1000 level non–degree applicable

1100 level introductory course, no prerequisites, open to all qualified students

2000 level lower-division course, open to freshmen and sophomores, may have prerequisites

3000 level upper-division course, open to juniors and seniors, prerequisites

4000 level upper-division course, open to seniors and graduate students

5000 level professional level (e.g., management, law, veterinary medicine)

6000 level professional and graduate-level course, open to upper-division students

7000 level graduate-level course

8000 level master’s level, thesis, research

9000 level doctoral level, thesis, research

 ナンバリングは、国際的に通用する体系的な教育課程を編成するためには欠かせないツールであり、今後金沢大学においても導入が求められると考えられるが、学類、コース・専攻単位で公式に検討を始める前に、個々の教員または少人数の教員グループで、自ら担当している授業についてどんな番号がつけられるのかについて既に策定されているカリキュラムマップをもとに考えることをFD活動として進めていってはどうだろうか。(文責 評価システム研究部門 堀井祐介)

 

○●○第18回FD研究会○●○

日時:2月21日(金)16時40分~18時00分

場所:金沢大学角間キャンパス総合教育1号館2階大会議室

テーマ:「主体性と向き合う教材のデザイン -反転教室の実現に向けた教育方法の過去・

現在・未来」

報告者:角南北斗(デザイナー(Web&教育))



[1] 科目ナンバリングについては、大学教育開発・支援センターとして、これまでにも2013年1月発行『週刊センターニュースNo.435』において解説、紹介を行っているが重要事項であるため改めて本稿で取り上げることとする。